≪これは大統領アラートだ。訓練ではない。緊急避難者に選ばれたのはあなたと…≫
恒星間天体のクラーク。人類史上最も地球に接近する彗星。
単体ではなく数百の岩と氷の集合体。
テレビでは能天気なコメンテーターが「大気圏で燃え尽きるから地球に到達する事はない」とか呑気に言い垂れておりますが、勿論そんな事はなく。
大西洋に着水と報道された1発目はフロリダ州中心部に。大きさはスタジアム級(一瞬で地獄絵図)。
その後も大小織り交ぜ雨あられ。二日後には絶滅級の大物が…。
「グリーンランド -地球最後の2日間-」(2020年/リック・ローマン・ウォー監督)
彗星クラークの接近がイベントのように取り沙汰されている中で、建築技師のジョン・ギャリティ(ジェラルド・バトラー)の携帯に届けられた「大統領アラート」。
見上げれば大量の軍用機。こりゃただの彗星じゃないぞ…。
「大統領アラート」は2018年10月に米連邦緊急事態管理局(FEMA)が配信実験をした緊急警報システム(つまりトランプからのお電話)。
ジョンとその家族が避難民(極秘シェルター入居民)に選ばれた(一流建築技師は再建後の世界に必用)わけですが、隠しても隠しても漏れるのが秘密と言うもの。選ばれなかった人たちの行動は推して知るべし(でもご家族向け映画だから、西村寿行的な肉欲祭りは無し)。
にしても「またか」な設定と展開ではあります。
壊れかけの夫婦、インシュリン打ちの息子、避難拒否の頑固親父、順列組み合わせで別れて離れて試練の連続(でも都合よくいい人が現れて難を逃れる)。
結局トム版「宇宙戦争」や「2012」と同じ箱なんですよねえ。
「隕石de絶滅(もしくは全滅オープンリーチな大打撃)」映画と言えば、「妖星ゴラス」「メランコリア」「メテオ」が私の中のオールタイムベスト。
ただ、今回の設定・展開と被る部分があるものとして
- 地球最後の日
- 天空が燃えつきる日
- ファイナル・アワーズ
の3本も外せません。
宇宙規模の天災に対して人はどう向き合う(べきな)のか。
家族の絆だけがテーマではありません。
★各レビューはこちら。
おまけ
クラークに薙ぎ倒されたエッフェル塔とネウロイにへし折られたエッフェル塔(「ルミナスウィッチーズ」より)
※クラークの名前の由来ってクラーク・ケントかと思ったら、アーサー・C・クラークからなんだそうです。
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★本日10月3日はドイツ統一の日。
1990年(平成2年)のこの日、45年ぶりに東西ドイツが統一され、ドイツ連邦共和国が誕生しました。
めでたいだけではない、その後の悲喜こもごもを描いたこちらを。