偶然開いてしまった“時の門”。
未来を映し出すスクリーンはそのまま“どこでもドア”に。通り抜けた向こう側は2071年。
ユートピアであるはずの未来は、核戦争で絶滅リーチの不毛の荒野。
生物と呼べるのは僅かな生存者と放射能で変異したミュータントたち。生存者は残った文明をフル稼動させて地球脱出の準備をしていました。
「タイム・トラベラーズ」
(1964年/イブ・メルキオー監督)
TV放送時のタイトルは「原始怪人対未来怪人」。
生存者もミュータントも未来人だし、少なくとも生存者は怪人ではないので、なんだかなあなタイトルではあります。
未来の地球で放射能ミュータントと言えば「続・猿の惑星」と「ノスタラダムスの大予言」ですが、本作と猿はお咎め無しでノストラダムスだけが封印ってのはちと納得がいかないような…。
うがががが!と襲い来る放射能ミュータント軍団。
お話は、未来世界に足を踏み込んでしまった科学者たち(3+1名)が、地球脱出寸前の生存者とミュータントの抗争に巻き込まれていく、というもの。
スクリーン消失! もう現代には戻れない!
特撮はタネも仕掛けもあるイリュージョンって感じで、なかなかに楽しめました。
核戦争の映像は「世界が燃えつきる日」をはじめデストピア・シーンで嫌というほど使い回される核実験バンクフィルムでしたが…。
ダッチワイフではない。
オチの付け方と〆の映像が独特で、そこがあるが故に記憶に残る(逆に言えば、あの〆がないと記憶の定着が弱い)作品です。
撮影がウィリアム・ジグモンドとなっていたので、ビルモス・ジグモンドの血縁者かしらと思って調べたらビルモス・ジグモンド本人でした(笑)。