デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

人類絶滅鎮魂歌。 エンド・オブ・ザ・ワールド[完全版]

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DVD廃盤。AMAZONで中古が9千円超え。御無体な!

エンド・オブ・ザ・ワールド[208分完全版]」
(2000年/ラッセル・マルケイ監督)

景気のいい邦題になっていますが、原題は「On The Beach」。以前ご紹介した人類終末デストピア渚にてのリメイクです(TVMだけどね)。

41年ぶりのリメイクともなれば、CG乱打派手派手映像にしたいのが人情でしょうが、意外や原典に対する目配せの行き届いた地味地味な葬送行進曲になっていて好感度大。

オリジナルはグレゴリー・ペックエバ・ガードナー、フレッド・アステアというスター揃いでしたが、今回はアーマンド・アサンテマイク・ハマー!)、レイチェル・ウォード(「シャーキーズ・マシーン」の高級娼婦。懐かしー!)、ブライアン・ブラウン(「カクテル」でトム・クルーズの師匠だった人)という超B級布陣(褒めてます)。

前作では“今となっては誰が始めたかも分からない”核戦争が、“中国の台湾制圧にアメリカが干渉した結果”となっているのが「時代」に即した変更でしょうか。

死滅した北半球からの通信が前作では「モールス信号」でしたが、今回は「eメール」。

これをどうやって“あのオチ”に繋げるのかが興味の的(?)でしたが、なるほどうまい手を考えたものです(しかもちゃんとコーラの瓶が一役買っている!)。

順番としては、まずはオリジナルの「渚にて」を観る事をお薦めします。

因みに、劇中ではレイチェル・ウォードにフラれるブライアン・ブラウンですが、私生活では夫婦です(笑)。

あと、作品とは関係ないですが、劇中ニューヨークなんぞ1コマたりとも出てこないのに、ジャケットのキービジュアルに自由の女神を使うのは如何なものかと思います。アルバトロスは反省するように(いや、反省しなくていいから再販してくれ!)。

※関連:「静かな静かなデストピア。 渚にて」→2009年8月16日