デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

怪獣無法地帯・・。 ICHI

イメージ 1
竹内力中村獅童窪塚洋介、この人たちに好き勝手な演技させたらどうなるか。正にそこは多々良島、怪獣無法地帯です。

「ICHI」(2008年/曽利文彦監督)

勝新を持ち出す事自体失礼なので、比較は割愛。

綾瀬はるかは悪くはないです。脚本(と演出)がしっかりしていれば、梶芽衣子ばりのクール・ビューティーに化ける可能性なきにしもあらず・・なのですが。

なんですか、このおととい栓抜いたコーラ飲んで風呂で屁をこいたようなへっぽこぴーな脚本は(書いたのはトレンディ・ドラマ専門の浅野妙子女史)。

大沢たかおが鬱陶しい限り。幼年期のトラウマで真剣が抜けないという設定なのですが、「抜けない」表現が稚拙なので、てっきり“刀が錆びていて物理的に抜けない”か“実は竹光なので抜くに抜けない”かのどちらかだとばかり。

ところが、その気になったらすーっと抜けるじゃないですか(唖然)。

別に真剣なんか持ち歩かなくても、木刀で達人(もしくは普段は峰打ち)という設定でも十分お話は成立するはずです。

無理して“ヘタレの三枚目”なんてキャラ作ったりするから、話の勢いを殺ぐ事に。

綾瀬はるかもクール一辺倒でキャラの触れ幅が小さく“お人形さん”の域を出ていません。

座頭市は、キャラの面白さが話を引っ張る“人物一番お話二番”の異色シリーズ、これでは勝新はおろかたけし版の足元にも・・。

武智鎮典かNAKA雅MURAあたりがホン書いて、石井聰亙あたりが監督すれば、骨太の作品になったのではないかと思うのですが・・(別の意味で外すかな)。

※参考:「香取慎吾座頭市?お願いだ、やめてくれ! 座頭市と用心棒」→2009年3月20日