デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

最初の刺客は…平手造酒(みき)。 座頭市物語

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平手造酒(みき)。仙台藩士だったが酒乱のため出奔し、笹川繁蔵に頼った。天保15年(1844年)8月7日、飯岡助五郎との闘争に病身で参加し闘死(以上Wikipediaより転載)。

この時、飯岡一家に草鞋を脱いだ男がいた。盲いた居合いの達人。名を座頭市

座頭市物語(1962年/三隅研次監督)

記念すべきシリーズ第1作。勝新も素晴らしいですが、平手造酒を演じた天知茂に痺れます。

偶然、池のほとりで釣り糸を垂れる二人。呼吸の流れから平手が患っている事を知る市。悟られまいと咳をこらえる平手。

ひとりは盲目。ひとりはアル中の肺病病み。いずれもよそ者。そして達人。

笹川と飯岡が出入りになれば敵味方。しかし今日は、呑む。

仕掛けたのは飯岡。鉄砲を持ち出した笹川を見て病床から這い出る平手。

“市は俺が斬る・・鉄砲なんかに奴を殺(と)られてたまるか!”

勝新のまだ今ひとつおぼつかない感じの殺陣も、“目の見えない人間が刀を抜いている”という妙なリアリズムを醸し出していて、これはこれで“いい感じ”。

正直、香取くんなんかど~でもいいのですが、相手の気配に全神経を集中して命のやりとりをしている時に、自ら「うおぉぉお!」とか声出して知覚を遮るなんてあり得ないと思うのですが、どーなんでしょ、その辺り。

※参考:「座頭市と用心棒」→2009年3月20日
    「座頭市勝新監督版]」→2010年2月27日