いきなり貶すのもアレなのでしばらく放置しておりましたが、最早我慢の限界、心を込めたこの一言を。
「大魔神カノン」(スッタフもキャストも興味なし)
経緯やら心情やらを全部ナレーションとモノローグで処理した第1話で即脱落。
心が曇ったの失恋したの引越したの今日も雨だの、いちいち言葉で説明しないと表現できんのかお前らは。
で、いつ魔人様が目覚めて大暴れしてくれるのかと思えば、どーでもいい話をねちねちグジグジ。
そもそも大魔神って、圧制に苦しむ庶民の怒りの代弁者だろ。当然怒りの矛先は為政者で今なら国会&永田町(もしくはピンポイントで鳥頭総理)。妖怪だの悪霊だのお呼びじゃないわ。
スタッフもキャストもオリジナル100回観直しの刑です。
「大魔神」(1966年/安田公義監督)
戦国乱世、丹波の国で謀反発生。圧制を敷く新領主・大館左馬之助は前主の遺児・忠文を捕らえ、民衆の心の支えである「武人像」を破壊しようとするが・・・。
全高4.5mという微妙なスケールを、作り込んだ低尺度ミニチュアセットで完璧に活かしきった大映特撮の金字塔。
何が素晴らしいって、「善と悪を超越して荒ぶる神」という大魔神のキャラ設定。
一度その怒りに火がついたら民・百姓であっても踏み潰す問答無用の破壊神。
命投げ打つ行為でしか蘇らないし立ち去らない。「座頭市と用心棒」で勝・三船の均衡を保ちきった吉田哲郎の脚本が冴えまくりです。
ここに伊福部昭先生の“あの”音楽・・・痺れます。
何をどう間違えると、このモチーフがあんな梅雨で湿ってカビ生えた座布団みたいな話になるのか。一種の才能だとは思いますが。
※参考:「大魔神がTVで復活! え、現代モノ? このデザイン何?」→2010年2月16日