デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

特異点を越えたパクリ魂。 イベント・ホライゾン

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例えるなら、惑星ソラリス×2010年÷ヘルレイザー

しかし、この公式は観る人によって異なります。

ある人にとっては、エイリアン×ギャラクシー・オブ・テラー÷シャイニングかもしれませんし、別の人にとってはスフィア×フラットライナーズ÷ゴースト・血のシャワーかもしれません。

どれも正解です。パクリの特異点を越えたオタク魂炸裂なデジャブのパッチワーク。

イベント・ホライゾン」(1997年/ポール・アンダーソン監督)

西暦2047年。7年前、処女航海時に忽然と消息を絶った宇宙船イベント・ホライゾン号が海王星付近に突如出現。

ミラー船長(ローレンス・フィッシュバーン)率いる救助船ルイス&クラーク号が設計者ウェア博士(サム・ニール)と共に海王星へ。

イベント・ホライゾン号は重力制御による新航法システムで宇宙の向こう側に行く機能を持った人類初の深宇宙探査船。

7年前、何があったのか。そして7年間どこへ行っていたのか。乗組員は?

巧く作れば深遠な哲学SFになったかもしれませんが、何せ監督が(出来が悪い方の)ポール・アンダーソンなので“景気のいい与太話”に終始しています(←誉めています)。

全体的にプロダクション・デザインが“いい感じ”ですが、とりわけ船を“この世ならざる”所へ牽引するエンジン「コア」のデザインが秀逸。正に丸いパズル・ボックス。

パズル・ボックスを開けた先に待っているのは勿論地獄。

ちょいと客を選びますが、SFホラーの佳作です。