音信途絶の調査船を見つけて乗り込んだらエライこっちゃになっていた…。
というテーマ自体「何度目のループだよ」ではあるのですが…。
「グラビティ 繰り返される宇宙」
(2018年/イーライ・サシッチ監督)
管轄ギリギリの領域“デッドゾーン”で長距離調査船アトロパ号が音信途絶。
乗組員の中に妻モイラがいると知った辺境警備の宇宙刑事(!?)コールは、無許可で出航。
予定より早く発見して乗り移ってみると乗組員は全員コールドスリープ中で無事。
ホッと一息もつかの間、あれこれ時間の辻褄が合いません。
アトロパの航行期間、コールドスリープ期間と計器の日付と発見日。
この誤差はなんだ?
全員叩き起こして思案のさなかに衝撃波。何かがアトロパに激突した!?
ぶつかってきたのは…アトロパ号でした。
調べてみると船内に乗組員サンダーズの遺体が(もちろんこっちにもサンダーズはいる)。
ほどなく衝突アトロパは爆発炎上。
時間の歪みの中で停滞するアトロパに過去のアトロパが衝突。やがてこの船は未来のアトロパに激突して先のアトロパと同じ運命を辿る。
まあ、音信途絶船がロクなことになっていないというのは「惑星ソラリス」や「イベント・ホライゾン」から続くお約束ですし、無限ループの恐怖というのも「トライアングル」や「月に囚われた男」で極めた感があるので、手垢のついた出涸らし感は否めません。
その辺りはそこそこ良くできたCGと70分という短尺で突っ込まれる前にダッシュ逃げ切り。
しかし、この70分という時間が痛し痒し。もともと本作、1話11分前後×7話の分割配信ものだったようで。
各回毎に収まりをつけようと思ったら、深堀とか伏線(回収)とか難しいでしょう。
一連の出来事が一過性のものではなく、無限ループの一環であったと気づくシーンはなかなかに見応えがありました。
実に小粒な出来ではありますが「トライアングル」が好みの方はイケるんじゃないかと思います。
★ご参考