ラショーモン・スタイルをやりたい!という意気込みだけは存分に伝わってまいりました。
「閉ざされた森」(2003年/ジョン・マクティアナン監督)
2001年の「ソード・フィッシュ」に続く“トラヴォルタ・ミスディレクション・シリーズ”第2弾(今、勝手に名づけました)。
パナマの密林で訓練中のレンジャー部隊7名が音信途絶。発見時、彼らは仲間同士で蜂の巣ゲーム。保護された生存者は僅かに2名。
ジャングルで何があったのか? ことごとく喰い違う供述。呼び出されたのは元レンジャー隊員で尋問術に長けた麻薬捜査官トム・ハーディ(ジョン・トラヴォルタ)。
さすがにこの先はネタバレに次ぐネタバレになるので書けませんが、虚実がめまぐるしく逆転する展開は観ていて飽きません。
ただ、観終わった後に山のような疑問が土石流のように溢れてきます。
「辻褄さえ合わせときゃ・・」ってのがひとつのキーワードなのですが、「合ってない合ってない」(笑)。
そもそも、基地の責任者・スタイルズ大佐がトム・ハーディを呼び出さなければ、この話は無い訳ですし。計算され尽くしたような顔してますが、物凄いザルドラマです。
まあ、トラヴォルタ&サミュエル・L・ジャクソンという「パルプ・フィクション」コンビの芸達者ぶりを観るだけでも十分楽しめるので損はないですが・・。