デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

直球ストレートど真ん中ベタベタ。 ロック・ユー!

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中世騎士道モノという取っつき難い題材が“We Will Rock You”一発で『成り上がりスポ根ドラマ』に大変身。

味付けは王道ベッタベタ。ニンジン嫌いな子供にすりおろしカレー作るようなものですが、美味けりゃいいじゃないですか。

「ロック・ユー」(2001年/ブライアン・ヘルゲランド監督)

中世のヨーロッパ。貴族だけに出場資格を与えられた馬上槍試合。その決勝戦直前、騎士エクスター卿が木陰で永眠。困ったのは3人の従者。

「死んだだと? 3日も喰ってないのに! 落馬さえしなけりゃ勝てる試合だぞ!」
「どうする? あと2分で棄権になっちまうぞ」
「鎧脱がせて俺に着せろ。俺が出る!」

平民出のウィリアム(ヒース・レジャー)は、身分を偽って“馬上槍試合”に出場。成り上がりドラマの始まりです。

もうここからは絵に描いたようなロールプレイングゲーム

故郷を棄て騎士の弟子となり、旅の途中で特殊技能を持った仲間と出会い、武術を修得し、お姫様が現れ、強敵が立ち塞がり、絶体絶命のピンチが訪れ、意表を突く助っ人が登場し・・(と書いて気付きましたが、これって「スター・ウォーズ」ですね)。

ナイキのマークを掘り込む女鎧職人もナイスでしたが、やはりMVPは、書類偽造と弁舌の達人(本業は作家)チョーサー(多分、カンタベリー物語書いたジェフリー・チョーサー。演じるはポール・ベタニー)でしょう。

試合前に騎士を紹介する口上が、WWEのリングアナを思わせる名調子。

中盤ちっとダレますが、尻上がりに盛り上がり、結構清々しい気分で終われます。

最後は「そりゃこれっきゃねぇよなぁ」な名曲で〆。クレジット終了後に意味不明な1カットがあるのですが、あれは一体何のために・・・?