デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

嗚呼、実相寺・・。 シルバー假面/第壱話「はなやしき」

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総監修・実相寺昭雄、原案・佐々木守、音楽・冬木透・・と並べるだけで嬉しくなります。もはや作品の出来などどうでも・・良くないか。

 

シルバー假面/第壱話 はなやしき」
(2006年/実相寺昭雄監督)


“♪シルバー仮面はぁ~さすら~い仮面、帰る家無し、親も無しぃ~(2番)”なテレビ版の設定を全部うっちゃり。ある意味、実相寺文学の集大成に。

時代は大正9年。不可解な美女連続殺人事件。諜報部の密名で捜査に乗り出す本郷大尉。相棒は探偵小説家・平井太郎(後の江戸川乱歩)。

事の発端は浅草の見世物小屋ダンテ一座。主は怪人カリガリ博士(コスプレノリノリ石橋蓮司)。ちゃんと眠り男チェザーレも。

出会った謎の美少女ザビーネ(ニーナ)。彼女の手には“ニーベルンゲンの指輪”が!

ザビーネの父は森鴎外(住まいは「D坂」!)、母は舞姫エリス。

いやあ、素晴らしい設定です(トンデモとも言う)。主役のニーナが“眼を覆う大根役者”であるという点を除けば実相寺遺作として申し分ありません(いや、致命傷か)。

ニーナさん、日本語の台詞はボロボロですが、ドイツ語とシルバー假面変身後の啖呵は堂に入っている・・と思ったらどっちも吹き替え(アテレコ)。

シルバー假面の中身はスーツアクトレス。おいおい、何しに出てきたんだよニーナ(←母がイギリス人のハーフで長野出身のモデル・内田仁菜)。

これならセガール娘でいいじゃんか。三輪ひとみに再び男装の麗人演らせるって手もあるし、水野美紀でアクション吹き替え無しだっていい(今ならしょこたんという飛び道具もあるぞ)。

第1話の怪人と言えば番組を問わず「蜘蛛男」。対決は紙吹雪舞い散る演芸場で見栄を切りながら。勿論、ジャンプしたらシルエットでストップモーション

最後の実相寺をご堪能ください。

 

★ご参考

 

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