2050年、地球の大気構造を作り変え、人類の大部分を死滅させた侵略者キルギス星人。
キルギス星人に孤独な戦いを挑む春日5兄弟。長兄・光一の発明したシルバースーツを纏った次兄・光二が奮闘するも有効打は見つからず。
ん？何だこれ「シルバー仮面」のリメイクなのか？ シルバー仮面と言えば実相寺昭雄が手掛けた「シルバー假面」（3部作）という破滅的失敗が思い出されますが…。
キルギス星人の操る巨大ロボットの設計図を盗み出した光二は弟・光三、妹・はるかと共に過去に向かってタイムトラベル。絶望的状況を覆す大博打に。
着いた先は2013年。目指す相手はロボット工学博士、紅健一郎！
キルギス星人の侵略開始まであと3年。それまでに彼らの巨大ロボットに対抗できるロボットを作る。その名はレッドバロン！
無茶苦茶だ。紅博士の奥さんの旧姓が春日だったと言う驚天動地の裏設定が可能にしたクロスオーバー特撮、ここに開幕。
「BRAVE STORM ブレイブストーム」（2017年／岡部淳也監督）
タイトルからは想像もつきませんが、本作は「ターミネーター」的世界観の中に「シルバー仮面」と「レッドバロン」を投げ込んだ「マジンガーZ対デビルマン」企画なんです。
メカ造型もCGも良く出来ていて（少なくとも「パシフィック・リム」よりはツボを突いている）、本来なら「シン・ゴジラ」と肩を並べてもおかしくないのですがネタと役者がマイナーだった事が災いして、大した話題になりませんでした。
残念なことに、熱い展開を阻害しているのがレッドバロン操縦者・紅健のキャラクター。事の重大性を目の当たりにしていながら「気に入らない」「関係ない」的俺様理論をわめき立て…。
いいからとっとと乗れよ！
反面、拾い物だったのが、春日はるかを演じた山本千尋。能力者という都合のいい設定なのですが、終盤、チグリス星人相手に見事な殺陣を魅せてくれます。
何でも3歳から中国武術を習い、武術太極拳選手として世界ジュニア武術選手権大会で金メダルを2度獲得した後、女優へ転身したというタフな履歴を持つ女なんだそうです。
2013年の戦いによって世界線が修正された2050年。3人を送り出した光一とひとみの元に現れた風来坊のような男。
その出で立ち、まさかあの人では？と思ったら、エンドクレジットにしっかり名前が出ておりました。静弦太郎と（マジっすか!?）。
続編作る気満々の終わり方でしたが、次はこちらがクロスオーバーしてくるのでしょうか。
←ランキング投票です。よろしければワンポチを。
