デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

実相寺放し飼い。 ウルトラマンマックス/胡蝶の夢

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『その怪獣の名前は?』

『名前から発想しますか。天才・金城哲夫的ですね。デウス・エクス・マキナを捩って魔デウスにしましょうか』

一見さんお断り、子供置き去り、イケメン目当ての母呆然、大きいお友達だけを狂喜させる確信犯的不条理メタドラマ。

ウルトラマンマックス/第22話・胡蝶の夢

(2005年11月26日放送/実相寺昭雄監督)

 

夢の中でカイトと同化するマックスの脚本家・蓮沼(石橋蓮司)。

同じく夢の中で脚本家・蓮沼と同化するカイト。両者の夢に現われる怪獣造型師の女。

ふたつの夢は交錯し、入れ替わり・・。

誰もが一度は扱いたいと思う“胡蝶の夢”をモチーフにした実相寺大暴走エピ。

先達はリドリー・スコット、コッポラ、押井守・・特に押井さんはことのほかこのテーマがお好きなようで、「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」では夢邪鬼にこの話をさせていましたし、「とんだデウス・エクス・マキナ」という台詞がある「御先祖様万々歳」の最終話のタイトルは「胡蝶之夢」でした。

マックスに変身する石橋蓮司という図もなかなかにシュールでしたが、本作のキモは真田薫扮する怪獣造型師の女。

顔、台詞回し、笑い方・・どれをとってもお子様の心に只ならぬ爪痕を残す存在感。泣くよな、こんなおばさん見たら、普通。

石橋蓮司は、実相寺の遺作「シルバー假面」にも“カリガリ博士”役で出演しておりました。

これだけでは暴れ足りなかったのか、実相寺はもう1本、とんでもないエピをマックスに残しているのですが、それに関しては次回…。