『俺たちの革命の時が来たぞ!』
『やるぞ! 現政権を打ち倒すのだ!』
俺達の時代を作るべき革命の時は今来たのだ!
立ち上がれ! 同志諸君!
俺たちは今から独立幻野党、またの名を幻兵団と名乗る!』
来ました。佐々木守が本領を発揮する時が。
大和朝廷にまつろわなかった為に歴史から抹消された日本原住民族・不知火一族が滅んだ瞬間に立ち上がった革命集団。
ターバンを巻き、曲刀を持ち、サブマシンガンで武装した、どこから見てもアラブゲリラなコスプレ軍団、独立幻野党の登場です。
ここで佐々木守という人の略歴を簡単に追って見ましょう。
- 1955年、大学2年次に「砂川闘争」に参加、同4年次に大島渚らと知り合う。
- 1960年、日本共産党に入党するも数ヶ月で離党。→反天皇制思想を明言。
- 1964年、大島渚の「創造社」に参加。『絞死刑』などの脚本を手がける。
- 同時期、大島の紹介で実相寺昭雄と知り合う(運命の出会い!)。
- 1968年、松田政夫、足立正男と「略称・連続射殺魔」を製作(足立は71年にパレスチナに渡り、日本赤軍・PFLPと共闘、国際指名手配される)。
- 1973年(アイアンキング終了直後)、日本赤軍に関心を持ち、レバノンのベイルートへ。
後に佐々木は、日本赤軍最高幹部・重信房子の著書『わが愛わが革命』のゴーストライターをつとめています。
独立幻野党が生まれるべくして生まれた大和政権への刺客である事が明確になったと思います。
仲間同士での『貴様の革命的警戒心が試されているんだと思え!』なんて会話、普通の脚本家の頭からは出てきません。
幻野党メンバーの恋人(夏純子!写真2段目)が静弦太郎(石橋正次)に浴びせた台詞、
『あの人たちは革命のために闘っている。自分の思想のために闘っている。あなたは命令されて闘っている。あなたは闘うことが好きなだけなのよ!』
も同様(正義の味方全否定!)。
山奥で人知れず戦っていた不知火一族編と違い、こいつらガンガン帝都に侵攻してきます。
諸外国要人にターゲットを絞り、大和政権の権威失墜を画策するなどなかなかに頭脳派。
裏番組「ミラーマン」との視聴率競争に勝って予算潤沢になったのか、ミニチュアセットも作り放題。“鋼鉄の同志”怪獣ロボットが暴れまくる痛快な展開に。
対するアイアンキングも負けていません。
何の説明も無く“稼動時間1分”の足枷解除。特に追加改造されたわけでもないのに謎の光線飛ばしまくってヒーローの誉れを上塗り。
制御不能となった佐々木脚本はノンブレーキで最終章「宇虫人タイタニアン編」へ!
★ご参考