デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

降板女優博覧会。 アイアンキング/不知火一族編

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北米版THE COMPLETE SERIESからのピックアップ・レビュー…なのですが、ウルトラマンと違って個々のエピが立っているシリーズではないので、敵毎の切り分けで御紹介いたします。

まずは最初の敵、不知火一族。

アイアンキング/不知火一族編」(第1話-10話/全話佐々木守脚本)

不知火一族ってのは、大昔大和朝廷に滅ぼされた日本原住民の末裔。

山の中でひっそりと暮らしている割りには、巨大ロボットとか所持している変な奴らです。

普段何をしているのか、そのお揃いのコスチュームはどこに発注しているのか、とか考えてはいけません(普通に自家用車を運転した時は強烈な違和感に襲われましたが)。

彼らは日本と言う国家に深い恨みを抱いていて、その転覆を画策しているのですが、行きがけの駄賃にと国家警備機構のエージェント、静弦太郎(石橋正次)を血祭りにあげようとしたのが運の尽き。

見事、返り討ちに遭って全滅してしまいます(合掌)。

不知火の刺客は全部で10人。身内にも明かされていない10番目の影が、弦太郎・霧島五郎(浜田光夫)と旅をしている高村ゆきこ(森川千恵子。写真上中央)。

不知火との戦いに巻き込まれた高山植物研究家(何故かコスチュームはリンリン・ランラン的ネイティブ風)という触れ込みで弦太郎に近づき、行動を共にしています。

彼女が最後の刺客として弦太郎に戦いを挑むはずだったのですが、撮影中の事故(炎が髪やら服やらに燃え移ったらしい)でビビりまくって「あたし、もう駄目ぇ!」と不知火一族とは思えない弱音を吐いて途中降板してしまいました(第6話)。

唯一の女性キャラがいなくなってしまったせいかどうかは知りませんが、この後、妙に女性ゲストが豪華になります。

第9話で岡崎友紀、第8話では星光子ウルトラマンAの南夕子ね。写真2段目左)が。

そして、第7話では関かをり(写真2段目右)がゲスト出演しています。

これ、何気に見落としがちですが、関かをりは本来、南夕子を演るはずだった人。

第2話まで撮影終了していましたが、舞台での事故で降板、星光子に変更になっています。

その星自身も本人の預かり知らぬ理由で突然の降板(月星人で月に帰るというトンデモ竹取物語設定。以後、北斗はひとりで変身)の憂き目に。

つまり、本作は森川の降板を端緒に、降板つながりの女優が集まった稀有な(?)作品なのです。

もうひとつ、不知火一族編の見せ場は敵ロボットの最期。

ロボットは不知火がロゴをあしらったリモコン(写真下左の男が持っている奴)で遠隔操作しているのですが、このリモコンを壊すと何故かロボットも大爆発。

操縦者を倒しても大爆発。リモコンを投げつけても大爆発。一体どんな仕組みになっているのでしょう。

謎の累積赤字を残したまま一族は絶滅。間髪を入れず、独立幻野党編へ突入するのでした。
(続きはいずれそのうち…)