筒井康隆の「ダバダバ杉」、押井守の「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」のように、夢は必ずしも自分が見ているとは限りません。
元々不条理な世界だけに、どこかで最低限の整合性を持たせないとお話として成り立たないのですが、この人は「いいじゃん、夢なんだから」と開き直ってしまいました(笑)。
「ファンタズムⅡ」(1988年/ドン・コスカレリ監督)
きちんと前作ラストから繋がっているとはちと驚き。
これじゃ、あのラストの幻想性が損なわれちゃうじゃないか、と思っていたらこれも夢か現実か・・・。
で、7年後。精神病院に閉じ込められていたマイクが、ようやく出所、じゃなくて退院(この設定はまんま「ヘルレイザー2」←これも88年。どっちがパクったんだ?)。
レジーと二人、車に武器積み込んでトールマン狩りの旅にGO AHEAD!
という訳で「ヴァンパイア/最期の聖戦」を思わせるアクション志向となった本作ですが、なんせハンターがレジーとマイク二人きりなので、スケールはしょぼしょぼ。
それでも、トールマンの通った街がことごとくゴーストタウンになっている辺りは、デストピアな雰囲気で◎。
ロザリオが神父の首に絡み付いて締め上げる所なんか、引っ張られた十字架が逆さ十字になっていたりして、アンチクライストな味わいも。
何より銀球(スフィア)が、メカゴジラ並みにパワー・アップ!
すり抜けざまに耳を削ぎ落としたり、自らドリルとなって体内に侵入して口から出てきたりと大活躍(数も前作の1個から3個に増殖)。
結局、何が現実で何が夢なのか分からぬうちにエンド。
多分、他に褒める人いないと思うので敢えて言いますが、私このシリーズ大好きなんです。
もし、アンガス・スクリム死んじゃったら、全編CGでいいから「5」作ってください。
※関連:「ファンタズム」→2008年1月24日
「悪夢の御伽噺の裏話。ファンタズム(の音声解説)」→2009年3月6日
「最早前衛? ファンタズムⅣ」→2009年7月27日