デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

緋牡丹博徒、お竜参上? サマーウォーズ

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『慶長20年の大阪夏の陣じゃ、徳川15万の大軍勢に打って出た』

『でも負けたんじゃ・・?』

『こういうのは勝ちそうだから戦うとか、負けそうだから戦わないとかじゃないんだよ。負け戦だって戦うんだよ、うちはな。それも毎回』

『馬鹿な家族』

『そ。私たちはその子孫』

鳴り物入りで登場した「セカンドライフ」が広告屋のなりふり構わぬ宣伝にも関わらず「ああ、そう言えばあったよなあそんなの」な存在になっている今日、全世界を牛耳る仮想空間OZにリアリティを持たせるのはちょっと困難。

ただ、ここで「OZの信憑性」とか「仮想空間の格闘ゲームで勝利すれば人工知能をプログラム・レベルで駆逐できるのか?」なんて事を考え始めると、“?マーク”がディズニー・パレードでやって来て、これも厄介。

という訳で、仮想世界に関する疑問と不満は大胆且つ勇気をもって無視することにします(人工知能が仮想空間で大暴れしているのは映像表現上の方便とみなします)。

 

サマーウォーズ(2009年/細田守監督)


じゃあ何を観るのかと言うと、超ステレオタイプなキャラ設定とベタベタな展開で描く、ネットという今日的な繋がりと田舎の大家族という人間的(因習的とも言う)繋がりの対比の面白さでしょう(※本音はここが駄目だった。末尾いいわけ参照)

人類の未来を賭けた人工知能ラブマシーン対陣内家のタイマン花札。追い詰められて進退窮まった時に、ドイツの少年が「僕のアカウントを使ってください」と申し出る瞬間は、ちょっと「ウルトラマン・ティガ」の最終回を思わせて感動的です。

数学好きって所が「神様のパズル」っぽいなあ、と思ったら、しっかり谷村美月が参加していましたね。

一家全員に花札を仕込んだおばあちゃん陣内栄の声は富司純子、いえ、この時ばかりは藤純子。緋牡丹博徒、お竜参上です。

※まあ正直、自分勝手な正義を振りかざして主人公を糾弾するおばさんとか、人の苦労を横から台無しにしてくれるおまわり兄ちゃんとかムカついたりイラついたりするキャラが多くて、好きか嫌いかと言われれば「好きにはなれない」作品だったりします。



★ご参考