デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

西部劇×吸血鬼。 フロム・ダスク・ティル・ドーン3

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『消息を絶つ白人が多い。探す者のために名前を』

アンブローズ・ビアスだ。探す者などいないよ』

1913年、メキシコで消息を絶った作家アンブローズ・ビアス(「悪魔の辞典」書いた人)を狂言回しに、地獄のサンタニコ誕生秘話を西部劇で描く「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のプリクエル・・

という話題に付き合ってくれる奇特な人は私の周りにはいない(さめざめ)。

 

フロム・ダスク・ティル・ドーン3」
(2000年/P.J.ピース監督)


前半は正統派西部劇。

強盗団のリーダー、ジョニーは死刑執行の最中、「踊る大捜査線」そっくりな音楽に乗って大銃撃戦&処刑人の娘エスメラルダさらって景気良く逃走。

仲間と合流したジョニーは、“パンチョ・ヴィラに渡す宝を持っている”と言っていた老人=アンブローズ・ビアスと神父夫婦の乗る馬車を襲撃。

馬車を乗り捨てたビアスと神父夫婦は砂漠のド真ん中で一軒の宿場兼酒場“ティティ・ツイスター(おっぱいぐるぐる)”を発見。

バーテンダーは勿論、ダニー・トレホ(笑)。

やがて、ジョニーと強盗団、そして娘を追う処刑人と警察もこの店へ。

で、後半はお約束の血みどろヴァンパイア・ホラー。

1作目は前半と後半にストーリー的関連が全く無く、ひとりグラインド・ハウスな構成が魅力(?)でしたが、今回は各人物と酒場の間に少なからぬ因縁があるのがミソ。

1作目の語り口の巧さと破壊力には遠く及びませんが、そこそこ良く出来た話だと思います。

ただ、サンタニコの母親にあたる女性の描き方がちょっと・・。

タメを効かせて、すげー色気のある魔性の女のように撮られているのですが、いやあ、ここで固唾を飲むのは相当年季の入った熟女マニアだけでしょう。神父が新妻(レベッカ・ゲイハート)を差し置いてうっとりとかあり得ません。

ビアスとヴァンパイアの因縁が今ひとつ良く分かりませんが、テキーラ飲みながらまったり観ていれば大して気になりません(でもエンド・クレジット後のエピローグはいらない)。

メキシコ語台詞で字幕が無かったので確かな事は言えませんが、ジョニーが拳銃抜きながらやっていた一人芝居は“トラビスごっこ”だと思います。

※参考:「フロム・ダスク・ティル・ドーン」→2008年1月10日