デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

聖骸布が飛んでくる! デモンズ4

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ダリオ・アルジェントが製作ってだけで「デモンズ」シリーズにされてしまった不幸な、しかし別のタイトルだったら恐らく歴史に残らなかったであろう不憫な傑作。

「デモンズ4」(1991年/ミケーレ・ソアビ監督)

原題は「La Setta」で“教団”。一応、似たような世界観の中で展開した「デモンズ」「デモンズ2」と異なり、こちらは正統派オカルト映画。

サタニスト達によって、反キリスト者を生む依り代にされてしまったミリアム(ケリー・カーチス←ジェイミー・リー・カーチスの実姉。時々老け顔になる所とかよく似ています)。

ローズマリーの赤ちゃん」イタリア版の趣きですが、ポランスキーが重きを置いた“隣人って怖ぇ”な部分は潔く割愛(笑)。

系としてはむしろ「悪魔のワルツ」や「悪魔の追跡」に近いかも。

悪魔や派手な超常現象を出さずに“邪ま”なものの存在を感じさせる演出力は流石ソアビ(ただ単に地味って言い方もありますが・・)。

人間の脳に卵を産みつける太古の甲虫とか、フェイスハガーの様に顔面に張り付いて相手を支配する聖骸布とか小道具の使い方もお上手。

音響による側面支援が薄いのと、オチが今ひとつという2点が難ですが、堂々たるオカルト・スリラー(+ちょっとファンタジー)だと思います。

ドイツで裏切り者を殺して心臓を奪う邪教信者の役名が“マーティン・ロメロ”。何か微笑ましいですね。

※参考:「悪魔のワルツ」→2008年5月8日
    「悪魔の追跡」→2008年5月9日
    「デモンズ95」→2008年5月27日