アルジェントの脚本をマリオ・ヴァーバの愚息が“アルジェントっぽく撮ってみよう!”と張り切って大失敗(微笑ましいなあ)。
「デモンズ」(1985年/ランベルト・ヴァーバ監督)
お話は簡単。謎の仮面男から貰った謎の招待状で謎の劇場で行われた謎の試写会に行ったら、スクリーンの中と外でゾンビが暴れて大騒ぎ。
整合性も辻褄も合理性も彼岸の彼方なアルジェント脚本を映像化するには非凡な才覚が必要ですが、ランベルトくんには荷が重かったようです。
ストーリー的にはアルジェント節満開で、「え、何で?」「どうして?」「今の何?」「あんた誰?」の波状攻撃(←褒めてます)。
シモネッティの音楽は「サスペリアPart2」と肩を並べる名調子。モトリーやアクセプトやサクソン、スコーピオンズの選曲もナイスです。
特殊メイクも当時としては相当気合が入っていたと思いますし、返す返す演出の稚拙さが悔やまれてなりません。
アーシアの姉フィオーレ(アルジェント長女。「フェノミナ」にも出てる)も観客役で出演。妹より清楚系の顔立ちですが、オーラは今ひとつ(この後の出演は2004年の「デス・サイト」のみ)。
劇場に何の前触れもなく落下してくるヘリコプターは「ゾンビ」のアレなんじゃないかと言われておりますが、燃料僅かのヘリがヨーロッパまで飛んで来ないでしょう。
謎の仮面男を演じていたのはミケーレ・ソアビ(写真上。「デモンズ95」の監督)。結構イイ男でした。
※参考:「デモンズ95」→2008年5月27日