デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

パトライトの大冒険。 裸の銃(ガン)を持つ男

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レスリー・ニールセンという名前を聞いて、「ああ、禁断の惑星のアダムス機長ね」とか「ポセイドン・アドベンチャーのハリソン船長だろ」という人は最早いないでしょう。

ニールセンと言えばLA市警の英雄にして厄ネタ、フランク・ドレビン警部。生涯の当たり役なのではないでしょうか。映画は勿論、

裸の銃(ガン)を持つ男

(1988年/デビッド・ザッカー監督)


何度見ても笑える数少ないアメリカン・コメデイです。

笑いの基本はくどさである事をこれでもか!と教えてくれます。

麻薬の取引現場である船に乗り込んだO.J.シンプソン(!)が、銃で撃たれ、壁に頭をぶつけ、よろけてストーブに手を置き、ドアにもたれたらペンキ塗りたてで服が汚れ、窓に手を挟み、バースデーケーキに突っ込み、偶然置いてあった鉄バサミに脚をとられ、やっと海に落ちて、でも死なない(笑)。

犯人の車がタンクローリーに激突し、屋根が吹っ飛び、偶然通りかかった軍のミサイル牽引車に衝突し、ミサイルにまたがったまま花火工場に突撃して大爆発。

どれも素晴らしいくどさですが、私のお気に入りはタイトル・クレジットのパトライト

パトカーの屋根にとりつけたカメラが、パトライト舐めで移動。最初は道路を走っていた車が、民家に入り、女子シャワールームに入り、ジェットコースターに乗り・・(要するにカメラの前にパトライトを乗せた板が固定してあるだけ)。

このパトライトの大冒険はシリーズの定番になり、3作目(裸の銃を持つ男Part33 1/3 最後の侮辱)では、ピンボールマシンに入り、空を飛び、ついにはデス・スターに特攻という大活躍を見せてくれます(写真は全て3作目から)。

ドレビン警部の良き理解者ホッケン署長役はジョージ・ケネディ(つまり本作は、「ポセイドン・アドベンチャー」、「タワーリング・インフェルノ」、「エアポート・シリーズ」の名脇役がトリオを組んでいるのです)。

この3人が昔を回想するシーン(2作目「裸の銃を持つ男2 1/2」)で、3人がとってつけた長髪、アフロのかつらだけで“若い頃”だと言い張るシーンもお気に入り。

ニールセンが2010年に他界しているので、続編が作れないのが残念です(「オースチンパワーズ」じゃ駄目なんですよ)。