『ちょっとお前さん、落し物だよ』
『…何も落としてねえぞ』
『(匕首を突き刺して)お前さんの…命だよ』
家政婦に、匕首持たせて、人殺し。
歴代最低の視聴率を叩き出し、シリーズそのものの打ち切りまで検討された必殺黒歴史。でもなんか好き。
「翔べ!必殺うらごろし/最終回・悪用した催眠術、先生勝てるか?」(1979年5月11日初放送/原田雄一監督)
太陽を信仰し、死者の声を聞くことが出来る行者・先生(中村敦夫)、記憶喪失の殺し屋・おばさん(市原悦子)、男装の野蛮人・若(和田アキ子)、調達屋・正十(火野正平)、そしていつも行き倒れている巫女・おねむ(鮎川いずみ)。
香ばし過ぎる面子。更に頼み人は死者(当然頼み料無し)。殺しは大抵真昼間。そりゃ視聴率あがらんわ。
最終回は、生き別れになった息子を引き取った里親一家を救うため、おばさんが悪の巣窟に単身カチコミ。
中ボスは屠るも、ラスボスその他の手に掛かり落命。死を覚悟したおばさんの絶叫「せ~んせ~い!」は市原悦子史の1頁を飾る名演技。
ついでに「必殺仕事人」第一シーズンの最終回も観ましたが、ノレませんね、やっぱり(脚本、吉田剛だし。監督知らない人だし)。
中村主水シリーズは「必殺商売人」で幕です。
因みに、うらごろし最終話の脚本書いた山浦弘靖さんは、「ウルトラQ」の“地底超特急西へ”とか「怪奇大作戦」の“狂気人間”とか「伝説巨神イデオン」とかを書いた物凄く“こっち側”の人です(「首都消失」の事は忘れてください)。