究極の“後出しジャンケン”シリーズが遂に完結(なのか?)
インテリジェンス溢るるシチュエーション・ホラーだった1作目から幾星霜。原型留めぬどころか全く別の映画にメタモルファーゼしてしまいました。
「ソウ ザ・ファイナル」(2010年/ケヴィン・グルタート監督)
前作ラストで辛くもジルのトラップを切り抜けたホフマン刑事(コスタス・マンディロア)ですが、既に自分の正体を見破ったFBIを皆殺しにした上に放火までしているので、帰る場所無し出口無し。
もはやこれまでとばかりに、顔出し厭わず、ハンニバル・ジェイソンと化して破れかぶれの大暴走。
リモコン・マシンガンや“混ぜるな危険”などのブービー・トラップを駆使して警官を外部に足止めしつつ、警察署に単身カチコミ。目指すは、身柄保護を申し出たジルの首。
いやあ、これの一体どこが「ソウ」なんでしょう。マニアック・コップの間違いでは。
ただ、この展開だとホフマンの単細胞ぶりがプラスに働いて、活劇(誰もそんなもの期待していないでしょうが)としての勢いを後押ししています。
こっちもヤケクソ。イケイケホフマン。
伏線張れず、回収できず、オチ探せずで脚本は破綻の極み。宇宙工学系大学の研究室にもないんじゃないかと思える大仕掛けな処刑マシンまで登場して、物語は収拾放棄の投げっぱなしエンディングへ。
本当にこれで終わりなのか甚だ疑問ではありますが、終わってくれて良かったなと思います。お疲れジグソウ。
★ご参考