デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

IPA? BLOOD:THE LAST VAMPIRE[Blu-ray]

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記憶の中の画質と違う…。

初見がビデオテープで、特にデジタルを意識していなかった、という事もあるのですが、DVDもデジタル・リマスターもすっ飛ばして、Blu-rayを観たら、まるで別物。唖然呆然。

特に「テレシネ」は“汚い”という先入観があったので、本ディスクの「テレシネバージョン」「デジタル・バージョン」のレベルの高さに驚嘆。

12年の時を経て、デジタルの底力を再確認いたしました。

「BLOOD:THE LAST VAMPIRE[Blu-ray]」(2000年/北久保弘之監督)

尺が足りないの説明が足りないのって事は最早与件なので言っちゃ駄目。

単なる技術自慢に「第四回文化庁メディア芸術祭“大賞”」を与えるのは如何なものか、という批判もありますが、これも仕方ないでしょう。

だって、最後のクレジットに「IPA」の文字が燦然と輝いているじゃないですか。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が絡んでいるという事は、制作費の一部が政府の助成金で賄われている、という事です。

税金投入した作品なんですから、文化庁メディア芸術祭“大賞”くらい獲らせないと交付認可団体の面目が立ちません。

はじめに技術自慢ありきのジャパニメーション(←死語だな)ショーケースだと思えば、この尺、この内容も納得の仕上がり。

唯一の汚点は、最後に“語り部”となるどんくさい保険医のおばさんの存在。

もうホント愚鈍で役立たずで不細工で。せめてこの人が細面な美形キャラだったら値千金のトレジャー・ディスクになったものを…。

実写版で、この役回りを同級生(将軍の娘)に振り替えたのは大正解でした。

ただ、実写版は小雪パートが蛇足。前半だけを膨らませて、タイトにまとめてくれれば、アニメ版に無い“萌え”を補完した完全版になったのに。

帯に短し襷に長しって奴でしょうか。

※参考:「猟奇的なセーラー服と日本刀(乾杯!)。ラスト・ブラッド
      →2010年4月19日
     「えっと…萌えは? BLOOD:THE LAST VAMPIRE」→2009年7月7日

■追記:

芸能界逆らっちゃ駄目ランキング日本代表の真樹日佐夫氏がお亡くなりになりました。1月2日。急性肺炎。71歳。

まさか、この人が死ぬとは。悪魔も死神も一喝、いやひと睨みで追い返してしまいそうなのに…。ご冥福をお祈り申し上げます。