スペインでも子供は禁忌か。 クリスマス・テイル
ユールの祝祭…じゃなくてクリスマスは終わってしまいましたが、流れでもう1本サンタ・ネタを。
「クリスマス・テイル」(2006年/フランシスコ・プラザ監督)
スパニッシュ・ホラー・プロジェクトの1本。プラザ監督はこの翌年「REC/レック」を撮ります。
枯れ井戸に落ちたサンタ姿の女性を発見した5人の子供。
一旦は助けようとしますが、彼女が指名手配中のコスプレ銀行強盗犯であることを知った子供たちは強奪した現金を横取りするため、彼女を枯れ井戸で飼育…。
最初は食事を与えていましたが、やがて兵糧攻め。盗んだ全額をよこさない限り助けないと脅迫。
後半、かなり無理矢理なブードゥー・ゾンビに移行(井戸の中で彼女が死んだと思った子供が、映画「ゾンビの逆襲」を真似て復活の儀式をする)する不自然さはさておき、大きな不満がふたつ。
まず、出てくる子供たちが悪辣すぎ。特にリーダー格のガキは(生きていれば)将来冷血非道な犯罪者になる事間違いなし。
確かに相手は凶悪強盗犯ですが、食事を与えず、身ぐるみ剥いでおきながら「今更助けられるか」と放置。「死んだら通報して懸賞金を貰えばいい」ってもう不愉快千万。
当然、ガキ共は死の制裁を受けるわけですが、やはりスペインでも子供の殺害は禁忌のようで、肝心のシーンは一瞬も写りません。殺された事を匂わせるカットがあるだけ。
おいおい、これじゃストレス溜まる一方だろ。殺戮行為そのものは映せなくても、その直前(恐怖に泣き叫ぶガキ)とか、事後の様子(古井戸に打ち捨てられた死体)くらいは画として押さえてくれないと。
普通なら「子供が殺される所なんか観たいのか?」となるのでしょうが、こいつらは例外。人じゃありませんから。きちんとお仕置きされる所を描写しないと教育上良くありません。
出来る事ならTVレートに縛られない“例え子供と言えども因果応報は宇宙の法則”シーン満載のディレクターズ・カット版を作って欲しいものです(三池の手でリメイクとかでもいい)。
※参考:「ブレア・ウィッチ×28日後。[REC]レック」→2010年4月28日
「鉄板の続編フォーマット…と思いきや…。[REC]2」
→2010年4月29日