デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

モブシーンは映画の華。WORLD WAR Z(の予告編)

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昨年11月10日に予告レビューを掲載していますが、最新版が公開されたので再度ご紹介。

「WORLD WAR Z(の予告編)」(2013年/マーク・フォースター監督)

おさらいしておきますと、“世界ゾンビ大戦終結後10年を経て生存者の証言から当時の様子を多角的に再構築するフェイク・ドキュメンタリー”というマックス・ブルックスメル・ブルックスの息子)の原作をブラピが買い付け、映画化したものです。

前回の予告と大きくは変わってはいませんが、モブシーンに力が入っており、WORLD WARなスケールが強調されています。

モブシーンで思い出すのは、セシル・B・デミルの「十戒」。

ユダヤの民を率いてエジプトを後にするモーゼがその人数の多さに驚き“Too Many!”と絶句するシーンが印象的でした。

モブシーンこそ、スペクタクル映画の華と言えるでしょう。

街中を逃げ惑う群集、雪崩を打ってバスを横転させるゾンビ、互いを踏み台にして壁をよじ登る人々(いやゾンビか)…。

世界各都市から煙が立ち上るカットもいい感じ。

ゾンビ映画はその極めて限られた予算と撮影期間から、局地的な描写(端的に言えば籠城戦)に頼らざるを得ませんでした。

それを与件とした上で創意工夫を凝らした傑作が多数生まれてきたわけですが、こういう無駄にスケールのでかいゾンビ映画も観てみたいと思っていました。

原作の持つ“フェイク・ドキュメンタリー性”はこの予告からも感じ取れませんが、世界規模のゾンビ映画が生まれるなら、まあいいかという気分ではあります。

監督のマーク・フォースターは「慰めの報酬」でちょっとミソをつけてしまいましたが、2001年に撮った「チョコレート」はお気に入りの1本なので、そこそこ期待しています。

※最新予告はこちら→http://trailers.apple.com/trailers/paramount/worldwarz/

※関連:「もうひとつの“戦後”ドキュメント。 WORLD WAR Z
      →2010年6月23日
     「本当に撮っていたのか! WORLD WAR Z予告編公開」
      →2012年11月10日