デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

エコだよ、それは。 死神ジョーズ/戦慄の血しぶき

イメージ 1

現在のビデオタイトルである「ジョーズ・アタック2」とどちらの表記にすべきか迷いましたが、やはり本作の正しい題名はこちらでしょう。

「死神ジョーズ/戦慄の血しぶき」
1984年/ジョーン・オールド・Jr.監督)


変名を使っていますが、監督はランベルト・バーヴァです。

原案がルイス・コッツィで脚本が「食人族」「夢魔」のジャン・フランコ・クレンチ、「地獄の門」「地獄の謝肉祭」のダルダーノ・サケッティその他という豪華スタッフ。

音楽も「サンゲリア」を思わせるユーロ・ビートでいい感じ(サントラ欲しい)。

紺碧のカリブ海で、水難自己続々。遭難者釣り上げたら両脚無し(写真2枚目)。

サメに襲われたようにも見えますが、歯型が微妙に違う…。

実はバイオテクノロジーが産んだ“サメ×タコ+イルカ(の知能)”の怪物、MONSTER SHARK(原題)なのでした。

お気づきかと思いますが、本作は3月19日にご紹介したシャークトパス」のオリジナル版です。

のっけからCGで全身晒したシャークトパスと違い、こちらはソナーに写る謎の生き物として引っ張り放題引っ張ります。

後半も全身が写るのは一瞬で、口元のアップ(写真1枚目)と触手攻撃が個別にカットバック。なので印象としてはサメではなくタンテクルズ(これも全身がほとんど写らないイタリア映画だったな…)に襲われている感じです。

とは言え、新種の海洋生物に迫っていく過程は結構好きで、今回改めてCGに頼らない画作りが“映画的な”雰囲気を醸し出しているんだなぁという事を実感しました。

シネコンでは得られない場末の三番館でスクリーンを見上げている感覚。

怪物は単体で細胞分裂を繰り返し、触手1本からでも本体を再生する事ができます。例によって創ったのは天才海洋生物学者なのですが、動機が新機軸。

海を守るモンスターがいれば、人間は海洋資源の乱開発ができなくなる…ってエコだよ、それは。