北極で氷付けになっていた古代のサメの卵が孵って育って…。見ようによっては地球温暖化に対する警鐘と取れない事もないですが、製作:コーマン夫妻という時点でその可能性はゼロです。
いつもの早い・安い・つまらなくはないが間違っても面白いとは言えないコーマン映画ですが、見所はあります。
「ディノシャーク」(2010年/ケヴィン・オニール監督、ロジャー&ジュリー・コーマン製作)
●見所その1:メキシコ万歳
古代サメはベーリング海峡渡ってアラスカ経由で一路メキシコへ。お世辞にも綺麗とは言えない海と脳の皺伸びきったようなまったり感が実にいい感じ。
お薦めは波打ち際にビーチチェア並べてボーっとしているお姉ちゃん軍団。
潮が満ちてくると少しずつビーチチェアを陸側に移動。そしてまたボー。多分、これを満潮まで繰り返しているのでしょう。リゾートのあるべき姿です。
●見所その2:サメのデザインがちょっと斬新
今回のサメはただデカイだけではありません。古代鮫なので皮膚が恐竜チックです。鮫肌と言うよりは鰐肌に近い。
CGの出来は激しくチープですが、突然跳ね上がってサーファーを瞬間的に齧って消えるヒット&アウェイ殺法はグッとくる絵面でした。
●見所その3:コーマン先生の出番が多い
カメオ大好きコーマン先生。今回は古代サメを研究している科学者ドクター・フランク・リーヴス役。出番も台詞も多く人件費節約に大いに貢献しています。
まだまだあります。
コンビニに立ち寄るような気軽さでロケットランチャーを入手する主人公の友人(Bar経営者)とか、その友人がサメに齧られて死んだというのに驚きも悲しみもしない主人公とか(友達じゃなかったのか)、明らかにサメによる被害が出ているのに遊泳禁止どころか警告すらしない行政とか、追っているサメの進路で自分の生徒が水球の試合をしているのにまるで念頭にない女教師とか盛り沢山。
ゴアもそこそこ頑張ってます。
監督は本作の後、「アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー」「シャークトパスvsプテラクーダ」「シャークトパスvs狼鯨」とか撮っています。
素敵なキャリアだと思います。