頭はサメ、下半身がタコ。
触手の先端は銛のようになっていて、掴む、引きずる、刺す、抉るとビクトリノックスの万能ナイフの如き多機能性。
遺伝子操作で生まれた海軍肝煎りの殺人兵器、その名は、
「シャークトパス」
(2010年/デクラン・オブライエン監督)
製作:コーマン夫妻(最凶タッグだ)のTVM。頭悪くて立ち眩みそうです(笑)。
もうびっくりするくらいCGがチャチ。改めて画像検索したら、ほとんどただの“絵”。
しかし、そこは腐ってもコーマン印(ちょっと前に「ダイナソー・クライシス」で持ち上げちゃったから貶しにくいじゃないか)、サービス精神満点です。
冒頭、サンタモニカ・ビーチで泳ぐ美女の後に現われた背びれ。
普通ならガキのいたずらとかで緩い笑いをとる所ですが、いきなりホンモノのホオジロザメ。こいつが美女に喰らいつこうとした瞬間、物凄いスピードで別の生き物がサメを捕食。
ぶっとい触手でサメを抱き絞め海底に引きずり込んだ化け物は、ブルー・ウォーター社が海軍の資金援助を受けて開発した生物兵器S-11。
しかし、民間のボートと接触した際に頭部に装着したレセプターが壊れて外れて海の底。制御不能となったS-11はそのまま南下してメキシコへ…。
勿論、メキシコでも水着美女がわんさかわんさ。陸に上がって木に登って人間入れ喰い踊り喰い。
追うはS-11産みの親の女性科学者ニコールと、ブルー・ウォーター社を解雇された元社員アンディ。
開発者も追跡者も支援者も被害者も犠牲者も音楽までみんな平等に頭悪そうなのが潔くて素敵。
この馬鹿さ加減をより堪能できるのが“吹き替え”。
ダルさとやる気の無さが強調されて、魅力が倍加します。お試しあれ。