本作をドニー・イエン先生はどんな顔して観ていたんでしょう。
谷垣健治あたりは「すっげー!」と子供のようにはしゃいでいたのではないかと思いますが、ドニーは臍の緒噛み千切っていたのではないでしょうか。
本来、映画を興行として成立させるために製作者が要求する要素…ドラマ性、ヒロイン、コメディリリーフ、一切合財を排除してただひたすらアクションだけを魅せ切る104分。
本年度「映画秘宝」選出ベスト第1位。
ジャカルタのスラム街にそびえる高層マンション。そこは麻薬王タマ・リヤディが管理する極悪犯罪ビル。
警察は勿論、対抗する組織ですら襲撃に成功したことの無い難攻不落の要塞にSWATが強制捜査(ザ・レイド)を。
しかし、SWATの大半は実戦経験の無い新人ばかり。おまけにSWATの動きはリヤディに筒抜け。
入居犯罪者総出のお出迎えとご近所ビルからの援護射撃に早くも突入隊は死屍累々。
SWAT新人のひとりラマ(イコ・ウワイス)にはリヤディ逮捕の他にもうひとつ、他人に言えない目的が…。
銃、ナイフ、鉈に斧にガスボンベ…、使えるものは全て使って戦局を打開。最後はインドネシアの古武術シラットで肉弾戦。
開巻早々にビル突入。そのまま休憩も場面転換も無し。文字通りの“一点突破”。潔いにも程があります(ある意味「ブラックホーク・ダウン」を超えています)。
武術としてのインパクトは「マッハ!」に及びませんが、アクション“だけ”を数珠繋ぎにした構成の天晴れさに無条件軍配です。
本作終了の2時間後を舞台にした続編が製作中。出演者の中に、松田龍平、北村一輝、遠藤憲一の名前が!
どうも監督(とスタツフ)が物凄い日本贔屓(千葉ファン、倉田マニア)なようで(特報の日本語口上がやたら流暢)。
ただ、アクションできない日本人は使い方間違えるとただの地雷になっちゃうので激しく不安です。