デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

いいから早くBDを出せ! カリフォルニア・ドールズ

イメージ 1

ちょっと昔。ビンス・マクマホンJr以前。プロレスが今より少しだけ素直な娯楽だった時代がありました。

街から街へ。ユニオンに属さず、プロモーターのつてを頼って渡り歩く女子プロレスラーコンビ、アイリス(ヴィッキー・フレデリック)とアイリス(ローレン・ランドン)。

夢は勿論、プロレス界のスーパースター。

二人を売り込むのは自称敏腕マネージャー、ハリー(ピーター・フォーク)。

「次は良くなる」はずが、安いギャラで買い叩かれて、身体を痛めても治療費も出ないドサ周りな日々。

今ならやり直せるかも知れない。田舎に帰って電話交換の仕事でも…。駄目、夢は諦められない。必ず、あのリングの頂点に。二人で。このコンビ名を刻んでみせる。

カリフォルニア・ドールズ

(1981年/ロバート・アルドリッチ監督)


あの、男汁で煮〆たアルドリッチ監督が描く女子プロ・ロード・ムービー。

ウェットな展開にして感動を盛り上げる事もできたでしょうが、そこはアルドリッチ。乾いて枯れた味わいの中に逞しさが覗くハードボイルドな作りになっています。

序盤の対戦でミミ萩原とジャンボ堀がゲスト出演。この試合の(日本チームの)決め技がクライマックスの伏線(いや、全然伏せてないんだけどさ)になっているのはちょっと嬉しい。

興行を仕切る地元のボスにバート・ヤング(「ロッキー2」と「3」の間の仕事ですね)。

メインイベントとなるチャンピオン・シップは30分1本勝負をリアルタイムで描く「真昼の決闘」方式。

買収されたレフェリーの動きとかよく特徴を掴んでいます(こういう怪しい動きばっかり見てきたように思うのは気のせいか。どう思う、ミスター高橋、タイガー服部?)。

一瞬、リング真上からの俯瞰映像が入るのもダイナミックでいい(マットに描かれているのはMGMロゴ!)。

「ヒコーキ投げ(Air Plane Spin)です。皆さん、シートベルトを!」なんてオールドファッションな実況も堪りません。

ある意味、アルドリッチらしい遺作になったのではないかと思います。

で、Blu-rayはいつ出るんだい?