デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

樋口は半ケツを許さない。 G.馬場VSハンセン/ブロディ

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昭和のプロレスを回顧するジジイの能書き企画第二弾。

今回は全日本プロレス。ネタビデオは、

 

ジャイアント馬場 ザ・ベスト・オブ・ザ・ベストVol.5」
(1995年発売/VAP)


主役は不沈艦スタン・ハンセンと超獣ブルーザー・ブロディ(当時の呼称は“ミラクル・パワー・コンビ”)。

収録は2試合。82年4月に愛知県体育館で行われたインタ・タッグ選手権(馬場の相方はジャンボ鶴田)と84年8月に田園コロシアムで行われたPWFタッグ選手権(こちらの相方はドリー・ファンク・Jr.)。

インタ・タッグは若き優等生・鶴田がなす術もなくボコボコにされる様が清々…あいや痛々しい。

で、メインは後半。

スピニング・トーホールドに乗って馬場、ドリーが入場。その後には引退してマネージャーとなったスーツ姿のテリー・ファンクが。

続いてサンライズケニー・ロジャースのイントロ無し。いきなりスペクトラム・バージョン)が流れ、ハンセン、ブロディ組が登場。

そもそもタッグを組むこと自体が反則な二人です。もう赤子の手をひねるねじるちぎる。

ひょいと持ち上げたドリーを叩きつけずにポトリと落とす…何かそのまま首の骨でも折ってしまいそうでかえってデンジャー。

やがて二人の標的はリングサイドのテリーに。

殴られ蹴られ服破かれ投げられ蹴られまた殴られ…(手出しをしないテリーを倉持アナが男らしいと褒める褒める)。

耐えに耐えたテリーがついにナックル・パンチで応戦。湧き上がるコロシアム。しかし、100倍返しの返り討ち。

背中を向けたブロディに這いながら追いすがるテリー。その伸ばした手がブロディのトランクスにかかり、ブロディが半ケツ状態に!

その時! 傍にいたレフェリー、ジョー樋口が間髪入れず、しかも超ナチュラルにブロディのトランクスを持ち上げ修正!

素晴らしい! 流血は構わない。血を見た視聴者が失神するのも厭わない。しかし、全日本プロレスの重鎮として半ケツだけは、半ケツを電波に乗せる事だけは許さない。

そんな樋口の矜持が伝わってまいりました。

ボコボコにされ続けるテリーを見た倉持アナが、

『竹内さん、このままでいくとテリーは殺されてしまいますね』

シレっと臆面もなくこういう台詞を吐く倉持アナが大好きです。