基本“動かない”がデフォルトだったジャイアント馬場の晩年。
たまにガッツポーズとかとったりすると倉持アナが、
『おお! 馬場がやる気をみせましたね』
なんて物凄い実況をしておりました。ロープに向かって走ろうものなら、
『馬場がリングを走ったぁあ!!』
もう、イエティとかビッグフットとか有り得ないものを目撃してしまったかのような大絶叫。
本作を観て、ちょっと在りし日の馬場を思い出してしまいました。
「キラー・エリート」
(2011年/ゲイリー・マッケンドリー監督)
ペキンパーの怪作とは同名異作。
引退した殺し屋が、下手打ってクライアントに拘束された恩師のミッションを引き継いで、イギリス陸軍特殊部隊(SAS)の精鋭を事故に見せかけて殺していく、というお話…なのですが、
脚本も演出もグダグダでα波出まくり(心地良い睡眠へいざなわれる事数回)。
主人公の禿げ(ジェイソン・ステイサム)も演技の振れ幅ゼロ(クライヴ・オーエンは芸達者な感じがしましたが…)。
やはり見所は禿げの恩師である老獪な殺し屋・ハンターを演じたロバート・デ・ニーロ。
禿げが引退を決する冒頭のミッション遂行時に、車から降りざまにサブマシンガン構えて連射。おお、HEATか、アクション返り咲きか、デニーロ!
何か体も絞っているじゃないか。構えも様になっているぞ。倉持アナがいれば、
「デ・ニーロがマシンガンを構えたぁあ!!」
と絶叫している事でしょう(すみません、言い過ぎました)。
これで全編通してデ・ニーロ・アクション炸裂なら文句無しでしたが、中盤は完全に休憩状態で後は終わりの方にちょっとだけ、って感じでした。
ま、デ・ニーロがまだアクションを禁じ手にした訳じゃないという事が分かっただけでも僥倖じゃないですか。
できるなら、もう一度、トラビス・ビックルのようなはっちゃけたキャラを演じて欲しいものです。
※写真は本作と「HEAT」を交互に並べています。
★ご参考