デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

史上最大の侵略。 アウトブレイク・カンパニー♯11

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「ミュセル、僕は、僕はね…侵略者だったんだ」

「旦那様が何をしているのであれ、旦那様は旦那様です」

何とここでセブン・リスペクトな会話が入るとは。

ボヘミアンな流れを断ち切る日本政府謀略の青写真。

捨て駒の捨て身。見返す瞳に宿る死神。

アウトブレイク・カンパニー/第11話・深く静かに陰謀せよ」 (2013年12月13日放送/柳瀬雄之演出)

急速に進むオタク文化の浸透。反比例して減少する教材の入荷量。

数少ない教材を奪い合う生徒たち。それは日常生活に支障をきたす程激しくなり…。

「まるで何かに取り憑かれているようね…」

それこそ日本政府の思う壺。

「文字を知らない一般人がエルダントの公用語より日本語を読むようになればそればかり読むようになる。価値観も少しずつ歪んでゆく。あとは我々日本政府が出荷を制限すれば彼らはこちらのいう事を聞かざるを得なくなる。それこそが我々の理想とする文化による侵略なのだよ」

かつて列強諸国が宗教やアヘンを使って試みた植民地侵略。オタク文化は日本政府の侵略兵器でした。

「私が君を選んだのはね、上が出した条件に君が合致していたからだよ。それはね、この世からフラッと消えても違和感の無い、いつでも証拠ごと処分できる人間、という注文さ」

頃合と見たのか、最後通牒とも言えるカードを切ってきた的場局長。

能力を買われた訳じゃない。使い捨ての傀儡、都合の良い操り人形。侵略の先兵。

「駄目だ…僕にはもう…」

苦悶と葛藤の末に慎一が出した戦法、それはオタク文化地産地消。漫画もラノベもクリエイターを育成してエルダントで作ってしまえば、日本政府に頼る必要はない…。

ペトラルカに謁見して“提案”という形で了承を得た慎一。その背中を見つめる的場甚三郎の目には死神が宿っていました。

シリアス展開を否定的に捉える向きもあるようですが、国が絡んで牧歌的な結末を迎えるなど有り得ないので、むしろ予定調和なのではないかと思います。

次回、最終回。窮鼠猫を噛む反撃は成功するのか。