
冒頭、南アフリカの遺跡発掘現場。お宝発見!と思いきや何かの力が働いて全員血まみれ昇天。
ここに「何か珍しくて禍々しい掘り出し物ないかしら」と物色に来た女性が、インドシナの民芸品店あたりで売っていそうな彫刻(写真上)を拾ってお持ち帰り。
持ち帰った先はオレゴン州セイラム。
そう、その筋の人なら名前を聞いただけで期待値3割増しのセイラムです。
※追記:すみません、マサチューセッツ州のセイラムと勘違いしました(ったく、思わせぶりな設定にするんじゃねぇよ…)。
さあて、何が起きるのだろう…って思った瞬間がこの映画のピークでした(笑)。
「スクリーム・ハウス」(2008年/ライアン・リトル監督)
謎の像が持ち込まれたのはオープン直前のアミューズメント・パーク「恐怖の館」(House of Fears←原題)。
この館に忍び込んだ男女6人がエライ目に遭うというのが本筋なのですが、登場人物全員が激しく“どうでもいい”オーラを満開。
「ファンハウス」のパクリかと思いましたが、襲ってくるのが各人の持っている恐怖の象徴という所が斬新…じゃありません。
なんだ「禁断の惑星」をガメた「ギャラクシー・オブ・テラー」の焼き直し(完全縮小再生産)じゃないか。
ただ、この恐怖の館、やたら作りが凝っていて“お化け屋敷”と言うよりは「怪奇系ミュージアム」に近い出来。
「ここ作ったのは女でシンディって言うんだろ」
と劇中で語られていますが、冒頭で悪魔の像拾ってきたのは、本作のプロダクション・デザインを担当しているシンディ・ネイル。
確かに「恐怖の館」を作った張本人なので、間違いではありません。
全体を通して“怖い”シーンが皆無(“お、ちょっとびっくりしたな”というカットも無し)というホラー共通一次赤点な仕上がりではありますが、取って付けたような後日談も含めて観終わった瞬間にスカッと全部忘れられるお気軽さが長所と言えば長所です。