英国TOTALFILMが「カルトなった大コケ映画30選(30 Movie Flops That Became Cult Classics)」を発表しました。
ベスト5は、「ロッキー・ホラー・ショー」「ビッグ・リボウルスキ」「ブレードランナー」「ファイト・クラブ」「ドニー・ダーコ」。
「天国の門」と「遊星からの物体X」が入っていないのが実に不満ですが、まあ、そこそこ順当なランキングではないでしょうか。
※全部知りたい人はこちら→http://www.totalfilm.com/features/30-movie-flops-that-became-cult-classics
このランキングの26位に入っていたのが、本日ご紹介する、
「バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー」(1984年/W・D・リクター監督)
監督は78年版「SF/ボディ・スナッチャー」の脚本、「ゴースト・ハンターズ」の潤色などを手掛けた人。
主人公は、天才的脳神経外科医にして物理学者、そしてロック・グループ“香港騎士団”のヴォーカリストでもあるスーパーヒーロー、バカルー・バンザイ(ピーター・ウェラー)。
共演が豪華。ジェフ・ゴールドブラムにクリストファー・ロイドにジョン・リスゴー。劇場版ではカットされてしまいましたが、バカルーの母親役でジェイミー・リー・カーティス。
ロボコップ×ハエ男×デロリアン発明者×2010年ロシア技師×ニューヨーク1997ナレーションです(80年代SFの集大成だ!…すみません、言い過ぎました)。
皆、適度に力を抜いた演技をしていますが、ジョン・リスゴー(異次元マッド・サイエンティスト、ドクター・リザルド役)だけはヤケを起こしたとしか思えない怪演(完全に振り切っています)。
リスゴーさん、自分がMC回の「サタデーナイト・ライブ」にこのキャラで出て来たらしいので、本人も気に入っているみたいです。
お話は“次元の壁を越える実験に成功したバカルーたちと異次元エイリアンたちの攻防”なのですが…。
ジェット・カーや宇宙船のデザイン、ある信号を受け取ったために人間社会に紛れた異次元エイリアンが見えるようになる「ゼイリブ」設定(こっちの方が4年早い)、1938年の火星人襲来パニック(オーソン・ウェルズのラジオドラマ)の真実など、ひとつひとつは良いネタなのですが、とっ散らかり方が半端なくまとまりゼロ。
まあ、だからこそのカルトなのかもしれませんが。
妙な漢字(鉢巻に“生活美”とか)がちょこちょこ顔を出しますが、バカルーが時折会話に挟む「ありがと」「さよなら」は何故か自然で違和感がありませんでした。