『On Your Feet or On Your Knees!
Here They Are The Amazing Blue Öyster Cult!』
(立て! さもなくば跪け! 驚異のバンド、ブルー・オイスター・カルト!)
ヘヴィ・メタルの語源には諸説あります。個人的にはブラック・サバスがオリジンだと思っていますが、ブルー・オイスター・カルトを起源とする説も少なからず存在します。
ヘヴィ・メタルと言うよりは“しっとりキメ細やかなハードロック”なのですが、彼らの人気を決定付けた2枚組ライヴ・アルバムが、
地獄の咆哮 On Your Feet or OnYour Knees

元々、音楽プロデューサーのサンディ・パールマンがラヴクラフトに影響された自作の詩「イマジノスの柔らかな経典」をロックで表現するという目的で集められたメンバーなので、曲調が異世界的、オカルト的。
3rdアルバム「オカルト宣言」(1974)の頃は前座がキッス(当時のライナーノーツだとキス)だったようで、今思えば実にお得な組み合わせ。
聴き所は「メッサーシュミット(ME262)」。BÖCの代名詞である“ベース以外全員ギター”が堪能できます。
冒頭の台詞はアンコール「ワイルドで行こう」の前に挿入されたパティ・スミスのアジテーション。この人が言うと、MCと言うよりサバトを扇動する魔女みたいでちょっと怖い。

ヘヴィ・メタルの語源のひとつと目されるステッペン・ウルフの曲をカバーしているのも何かの因縁でしょうか。
ライヴではオリジナルに忠実な演奏ですが、スタジオ版はかなり大胆なアレンジが施されていて、これはこれで結構好みではあります。