ウルトラマン去りし後の地球。ハヤタの体内に残留したウルトラマン遺伝子を継いだ息子・進次郎という直球に見えて超変化球なスピンオフの第6巻。
今回はかなりビーンボール(笑)。
「ULTRAMAN/第6巻」(ヒーローズコミックス/清水栄一&下口智裕著)
科学特捜隊も感知していない第3のウルトラマンスーツ“A(エース)”。纏っていたのは進次郎の高校の後輩、北斗星司。
共に宇宙人を倒すという協調路線をとりながらも現場を攪乱していく北斗。果たして北斗の目的は…。
一言でいえば「大混乱」。遅々として進まぬ展開、回収されない伏線。物語のタガがあちこち外れて混沌の極み。
更にシリアス一辺倒だったキャラが微妙に壊れてギャグ混じり。
何じゃこりゃこりゃと思いつつ、その外しっぷりが“いい感じ”。
特にモロボシの殺気キャラ(離れた所から進次郎に“殺す”思念を飛ばしまくる)は、個人的には好感度二階級特進。
進次郎とアイドル歌手(ウルトラマンオタク)との交流は、“クラーク・ケント×ロイス・レーン思春期版”な趣きで、これまで作ってきた雰囲気をドブに捨てる潔さ。
アイドルにうっかり正体をバラしそうになる進次郎。それを物陰から見守り(?)ながら殺気をまき散らすモロボシ。あと1歩でラブコメです(笑)。
終盤は進次郎と北斗の対立からモロボシによる北斗制裁というシリアス路線に戻ったものの、巻末付録・番外編(『(ゼットン星人)エドの1日』)という短編で景気よく腰砕け(←褒めています)。
直近2巻くらいテンションダダ下がりでしたが、ここに来て盛り返し(世間的な評判は宜しくないですが…)。ちょっと7巻が楽しみになりました。