デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

俺には大志が! セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ

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Power To The People Who Punish Bad Cinema!
Death To Those Who Support Mainstream Cinema!

景気よく意訳すると

「アングラに力を! ハリウッドに死を!」

ってな感じになりますでしょうか。BadCinemaMainstream CinemaHollywood Cinemaです。

真の映画を撮り続ける“大志”を持ったゲリラ部隊“スプロケット・ホールズ”。率いるカリスマ監督セシル・B・ディメンテッド(スティーヴン・ドーフ

I H-A-A-A-V-V-V-V-E-E-E-E  A V-I-I-I-S-S-S-I-O-N!

(俺には大志があるんだあぁああぁ!)

 

「セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ」
2000年/ジョン・ウォーターズ監督)


スプロケット・ホールズのメンバーは全員、体のどこかに敬愛する映画監督の名前を刻んでいます。

セシル・Bオットー・プレミンジャー。台詞の度に「栄光への脱出」の音楽がかかって笑えます。

他にもデヴィッド・リンチ”“サム・ペキンパー”“ハーシェル・ゴードン・ルイスetc

 
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そして彼らは、“予算ゼロ”“究極のリアリティ”をスローガンにした真の映画「狂える美女」製作のため、ハリウッド大女優ハニー・ウィットロック(メラニー・グリフィス)を拉致。

The first take is the only real truth...
「ファーストテイクの中にのみ真実がある(だから撮り直しはしない)」

There are no rules in outlaw cinema, Miss Whitlock, only edges.
アウトローシネマにルールなんかない。あるのはキレだけだ」

We believe technique to be nothing more than failed style.
「技法なんてものは能無しが使うものだ(だから編集もしない)」

セシル・Bの俺様理論に徐々に感化されていくハニー(画に描いたようなストックホルム症候群)。

駄目押しで世間の冷たい評価を知り、女優魂覚醒。「やってやろうじゃないの!」

ハリウッド映画の撮影に協力しようとする資産家の集会を襲い、ファミリー映画ファンに追いかけられればアクション映画ファンに助けを求め(ACTION FANS! HELP US!)…。

セシル・Bらの度重なる暴挙に業を煮やしたハリウッドは切り札企画「ガンプ・アゲイン」フォレスト・ガンプの続編)の製作を発表してこれに対抗(子供の喧嘩かよ)。

セシルらは「ガンプ・アゲイン」撮影スタジオに乱入、壮絶な銃撃戦に!

フォレスト・ガンプは皆大好きなんだぞ!』
フォレスト・ガンプなんて大っ嫌いだぁああ!』

このシーンだけでこの映画には存在する意義があります。

 
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映画はセシルの絶叫と共に幕を閉じますが、ちょっと「フェイドTOブラック」のラスト(精神を病んだ映画ファンが映画をなぞった殺人を重ね、最後はジェームズ・キャグニー「白熱」のクライマックスを完コピして自滅する)と被ってしまいました。

ジョン・ウォーターズは気になるけど「ピンク・フラミンゴ」みたいな奴はちょっと…という方は本作と「シリアル・ママ
をご覧ください。

 

★ご参考


 

 

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