デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

祝!復元! ザ・ブルード/怒りのメタファー[リストア版BD]

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これまで出回っていたDVDが3倍速ダビングを繰り返したVHS並みの退色しまくった画質だったので、BDによる再発を切望しておりましたが、これは期待以上。

 

ただ、解像度・音質と一緒に嫌々感も倍加しましたが…。

 

ザ・ブルード/怒りのメタファー[リストア版BD]」1979年/デヴィッド・クローネンバーグ監督)

 

内容に関しては以前のレビューを参考にして頂くとして、

 

 


今回は画質等に関して。

 

セーターの網目から壁紙の模様まですっきりくっきり。発色も抑え気味ではありますが、雪の中のパーカー(赤、青、黄)が映える映える。

 

全体的に色味を控えている分、鮮血がよりショッキング。


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もう絶対に撮れない子供による幼稚園襲撃&教師撲殺シーン
 

音もリニアPCM5.1chが施されて、より立体的に。

 

冒頭の公開治療シーンなど、本当に舞台演劇を観ているような音場になっています。

 

被害妄想を怒りに転化させ、さらに実体化させる…どういう精神状態に置かれるとこんな話を思いつくのでしょう…と前回レビューで書きましたが、当時、クローネンバーグ監督は泥沼の離婚調停真っ只中だったそうで。

 

相手を高圧的に責めたてながら、フリークスを疑似子宮と化した腫瘍から次々産み落とすノーラ(サマンサ・エッガー。下写真右)のキャラクターには係争中の妻が反映されているようです。


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本人が観たら怒るだろうなあ。女性に対する恐怖心が創作の源になっているという点では、リンチの「イレイザーヘッド」と同じ箱に入るのかもしれません。

 

因みにノーラ役のサマンサ・エッガーの撮影参加は僅か4日間。

 

そんな短時間で、あのテンションまで持って行ったのか…。凄いな。


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