
そこは連日「秩序って何?」な人命激安カーニバル。今日は子供がお買い得。
「ケープタウン」(2013年/ジェロール・サル監督)
波打ち際で発見された女性の撲殺死体。

捜査に当たるのはズールー族出身(原題「ZULU」)の刑事アリ・ケソーラ(フォレスト・ウィテカー)と、自堕落な生活が災いして妻子に捨てられたブライアン・エプキン(オーランド・ブルーム)。
背後に見え隠れする麻薬シンジケートと子供の大量失踪事件。

開巻、私刑で丸焼きにされる黒人(アリの父)、それを目の当たりにする少年アリ。心身ともに癒えない傷を負いながら、良き公僕であろうとするアリでしたが…。
ブラジルの命も安かったですが、南アの命も安い。
相手が刑事だろうが知った事かとばかりに腕飛ばす、耳縫い付ける。刑事もホールドアップしている相手の眉間を躊躇なくドン!

事件の全貌描写が割とおざなりで、ちょっとおいてけぼりにされた感が強いですが、ケープタウンの風景とアリのカチコミが熱いので不満はありません。
随所にアパルトヘイトの負の遺産が。赦されざる記憶。それでも守る正義。
刑事モノに爽快感を求める向きにはお薦めできませんが、ちょっとした拾い物だと思います。