1921年.第1次世界大戦直後の英国。
家族や恋人を失いまくり、残された人々は軒並み鬱状態。病んだ心は死後の世界に癒しを求め、降霊会が大ブーム(日本なら国中イタコまみれ)。
この大半(と言うかほぼ全部)が偽物、インチキ、トリック、詐欺。
この欺瞞を暴くのが、フローレンス(レベッカ・ホール)のお仕事。しかし、被害者(降霊会依頼者)にとっては一縷の望みを絶たれる事でもあり…。
被害者、加害者双方から恨み言を言われ、神経をすり減らしていくフローレンス。
そこに舞い込んだ新しい仕事。寄宿学校に出没する幽霊についての調査依頼。
最初は渋っていたフローレンスでしたが…。
「アウェイクニング」(2011年/ニック・マーフィ監督)
英国の曇天と森とかつては私邸だった寄宿学校がひとつに溶け込んでいる画像はしっとりと落ち着いていい感じ。
雰囲気だけなら『アザース』が近いかも。
寄宿学校で起きた事件を科学の力で合理的に解明していく前半は上々。
物語がゴースト・ストーリーに移行していく辺りから少々トーンダウン。
私邸時代に起きた惨劇やら、フローレンスの出自やらが思いのほかありきたりかつ説明不足なのが残念無念。
印象深かったのは寄宿学校をそのまま形取ったドールハウス。
祭壇のように鎮座したドールハウスの中には、今見たばかりの学内の様子が克明に。
ドールハウスのあるフロアにはミニサイズのドールハウスが置かれ、その前には窓から中をのぞき見ている女性の人形が…。さらにその後方には…。
ここいら辺の畳み掛けはお上手。
あとはもう少しオチを丁寧に撮ってくれると“おいてきぼり感”が薄まって良かったと思います。