乱気流を抜けると、そこは戦場だった。
「エアポート2015」
(2015年/エミール・エドウィン・スミス監督)
ダラスからヒースローへ向けて飛び立ったAI42便。到着間近に突如発生した乱気流を抜けると、眼下には戦場が広がっていた。
42便を出迎えたのは、ユンカーズJu88、ハインケルHe111、そしてメッサーシュミットBf110。
ここは、どこだ?
とうとうタイムトラベルまでぶちかましたエアポートシリーズ(勝手にエアポートシリーズにしているのはアルバトロスですが…)。
製作はアサイラム。おまけに監督は「メガ・シャークvsメカ・シャーク」撮った人。てっきりスチャラカSFになるものと思いきや、意外と真面目。
地形から判断してここはフランス上空。管制塔との交信はできないが、英国軍の通信兵と無線が繋がり、今が1940年と判明。
基本、飛行機の中とその周辺でドラマが進むので、絵柄としてのスケールはしょぼしょぼですが、歴史が微妙に異なっている(ダンケルクの戦いが連合軍の大敗になっていたり、既に開発されているはずのレーダーがまだ発明されていなかったり)などヒネリが効いています。
「ヒトラーを倒せるぞ!」と意気込む乗客、地上にレーダーを落として(英国軍に渡して)広域索敵を頼む機長、無線を傍受してレーダー横取りを画策するナチなど、それなりに工夫のあとが見られます(しょぼしょぼですが…)。
乗客に歴史学者がいるなんて事も含めて「ファイナル・カウントダウン」の焼き直し(異世界に行って戻るという構成だけ見れば「ランゴリアーズ」とも近しい)なのですが、安いながらもまとまりのある良作だったと思います(期待値が地面すれすれという超低ハードルだったという事をお忘れなく)。
おまけ
画面では暗くて良く見えなかったので。左がJu88、右がHe111。