デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

昔ながらの殺り方で。 皆殺しの流儀

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WE STILL KILL THE OLD WAY
昔ながらの殺り方で。
 
長ドス構えた高倉健鶴田浩二の姿が浮かんできそうなタイトルですが、ここはイギリス。
 
かつて違法行為と引き換えに街に平穏をもたらせていたギャングも寄る年波には勝てず。現役引退して悠々自適。
 
タガの外れた街は破壊と混乱と恐怖をまき散らすだけのガキどもの巣窟に。
 
ある夜、ひとりの老人がレイプ現場に割って入ったものの返り討ちに遭って死亡。
 
老人はかつて、ロンドンでその名を轟かせていたギャング、リッチー&チャーリー兄弟のチャーリー。
 
訃報を聞いたリッチーと平均年齢70オーバーのギャング仲間はチャーリーの報復を誓う。昔ながらの殺り方で。
 
「皆殺しの流儀」2014年/サシャ・ベネット監督)
 
経験が違う、迫力が違う、なにより志が違う。馬鹿なガキどもが年寄りに次々屠られていく様は実に痛快。

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冒頭でガキどものクズっぷりをしっかり描いているので、同情の余地がありません。
 
勘違いしてはいけないのは、この老人たちは自警団でも正義を掲げる一般人でもない、筋金入りのギャングだと言う事。ギャングが復讐に立ち上がったのですから情け容赦などあろうはずがありません。
 
人種、性別、年齢、一切の差別なく平等に皆殺し。
 
この人種というのもミソで移民流入の背景も視野に入れると、この後のイギリスの決断に繋がって興味深いです。
 
困ったのは、にこやかな老人が女子供を血祭に上げる意外性が“出オチ”になってしまっているので、後半まで緊張感が続かないこと。

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作り手側も後半飽きてしまったのか、脚本がどんどん荒くなっていきます(笑)。
 
クライマックスにもう一工夫あると血の滾る佳作になったと思います。ちょっと残念。



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