娯楽低め、神秘性強め、なイギリス産秘境もの。
「恐怖の雪男」(1957年/ヴァル・ゲスト監督)
冒頭、(表現として正しいかどうかはさておき)チベット仏教寺院の様子が見られるのは秘境ものの出だしとしていい感じ。
ここで暮らすジョン(ピーター・カッシング)はかつて雪男に関する論文を執筆したことがありましたが、今は薬草などの植物研究家。
この村にトム(フォレスト・タッカー)率いる登山隊が。彼らの目的は雪男の発見(正確には発見と捕縛と金儲け)。
同行を求められたジョンは妻の反対を押し切って…。
全てを見透かしているようなラマの高僧がいい味出しています。
キングコングや北京原人の逆襲のような雪男大暴れ、な内容ではありません。
文明に背を向けて愚かな人類が滅びるのを待っている神秘的存在。
実際、雪男は人間に対し一切の攻撃をしていません。人間が勝手に恐怖や妄執に駆られて自滅しているだけ。
であれば最後まで雪男は出さないで欲しかったなあ。出すとしても後ろ姿かシルエット。
うっかり顔出ししてしまったことが興を削ぐ結果になってしまったのは残念です。