天皇巨星、ジミー・ウォング先生がお亡くなりになりました。
4月5日。6年間の闘病の末に台湾・台北の病院にて。75歳。
役者片手間、本業ヤクザ。「芸能界逆らっちゃ駄目」選手権アジア代表として何度も取り上げて参りました。
その輝かしいフィルモグラフィの一端は、下記レビューリンクをご参照頂くとして、今回は未完に終わった幻の作品についてちょっとだけ(何故ちょっとだけかと言えば、情報がちょっとだけしかないからです)。
その作品とは、1975年にイギリス、西ドイツ合作で撮影が開始された「THE NEW SPARTANS」
監督は「悪魔の追跡」のジャック・スターレット、主演は「家」「ブルード/怒りのメタファー」のオリヴァー・リード、紅一点が「ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー」のスーザン・ジョージ、そして我らがジミー・ウォング先生と三船敏郎!
香ばしいにも程があるジャンル映画オールスター。
ただし、撮影場所が悪かった。
アイルランド。どんな理由があろうとも、イギリス人にアイルランドの地は踏ませないと言うIRAからの脅迫状が届き、僅か1週間で製作が頓挫。
プロダクションをイギリスに移したものの資金難が重なり結局「未完」となりました。
一体どんな映画だったのか。シノプシスすら残っておらず、あるものと言えば、オリヴァー・リードの「それは何のコスプレですか?」な写真1枚のみ。
同作に出演予定だったフレッド・ウィリアムソンによれば、三船の役は戦争が終わった事も知らない第二次世界大戦の生き残り兵士(ある特定の単語しか喋れないという設定らしい。特定の単語の部分は伏字になっているので分からない)、ジミー先生はほぼAs himselfで、アジアのアクションスターという役柄だったそうです。
IRAの脅迫状には疑わしい点もあったようですが…。
★詳しい内容はここいら辺参照。
Wikipediaには「三船との写真をラミネート加工して現在も大切に保管しているという」なんて泣ける記述もあったりします。
脅迫と製作の実態はさておき、ジミー先生と三船敏郎の絡みは観たかったなぁ…。
★ジミー先生の素晴らしい作品の数々はこちらから。