デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【天体物理学者のお墨付き?】ムーンフォール【安定と信頼のエメリッヒ印】

『僕ら死んだ?』
(Are we dead?)

『いや、月の内側に入ったんだ』
(No, we're just inside the moon.)

『そんなゾクゾクする台詞、聞いた事ない』
(That might be the greatest sentence anyone's ever said.)

過去数十年のあいだに発表されたハリウッド映画でもっとも非科学的な作品は「アルマゲドン」だと断じたアメリカの天体物理学者のニール・デグラス・タイソン博士が、米ラジオ番組「The Jess Cagle Show」でアルマゲドン」を超えるトンデモ映画を観たと告白したそうです。

その映画とは…

「ムーンフォール」(2022年/ローランド・エメリッヒ監督)

てっきり「ザ・コア」か「インデペンデンス・デイ」だと思ったのですが違いました。

月は人口建造物。作ったのは高度な文明を持つエイリアン。内部は空洞。動力源は中心部に抱え込んだ白色矮星

その月が軌道を外れた。このままではバラバラに分解した月の欠片が雨あられと地表に降り注ぐ(わー大変)。

という設定だけで突っ込み北斗百裂拳。全編通じて「んなアホな」「いやそーはならねーだろ」の嵐。

しかしそこは信頼のエメリッヒ印。ド派手シーン(と次から次に繰り出す突っ込みシーン)のつるべ打ちで個々の矛盾に突っ込むすきを与えません。

あ、ちょっと今のドッカーン!いや待てそれはバッコーン!あ、もういいやどうでも…。

そんな感じの130分でした。


エンジンひとつ壊れちゃったけど、月の引力に牽引してもらえば何とか行けるんでね?で海面が一気に上昇する中、強引にシャトル発射とか頭わるいけど絵面は最高。


こういう絵面も結構好き。


という訳で「だってエメリッヒだもん」で万事解決なトンデモSF超大作でした(今回はエメリッヒにしては人間関係が上手にまとまっていたと思います。因みに主演はハル・ベリーと「悪霊館」シリーズのパトリック・ウィルソン)。

 

★では最後に信頼のエメリッヒ印をひとつふたつみっつ。

 



ランキング投票です。月が空洞って事くらい知って他たさ、という方はワンポチを。



 

★本日のTV放送【19:00~BS12】