デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ポーランドの狂った映画ポスターに関する浅~い考察。


問題です。これ👇は何と言う映画のポスターでしょう。


答えは「エイリアン」(本当だってば!)

以前「何故、こんな事に…? 海外トンデモ映画ポスター25選」という記事をUPしましたが、あれの続編。

これ👇ね。


あの時もおかしなポスターの産地は大抵ポーランドでした。何故、ポーランドの映画ポスターはトンデモなのか。

理由を紐解く前にもう1問。これは何と言う映画のポスターでしょう。


答えは「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(嘘じゃないって!)

右側のほうはまだ面影がありますが、左側はもはやジャンルすら(笑)。

勢いでもうひとつ。タイトルが出ているのですぐわかりますが「シャイニング」


かつてここまでシェリー・デュヴァルの恐ろしさを形にしたポスターがあったでしょうか(絶対にない)。

ポーランドの映画ポスターの狂った独創性には理由がありました。

第二次世界大戦後、ポーランドでは独裁者が次々と入れ替わり、完全に共産主義支配下に置かれておりました。美術品は基本的にスターリン政権によって検閲されるようになったのです。

しかし、ここに驚くべき抜け道がひとつ。ポーランド映画協会(Film Polski)と映画レンタル協会(Centrala Wynajmu Filmow)、略してCWFに代表される国営の映画産業は、映画のポスターデザインをアーティストに依頼しましたが、政権はそれがどんなものであろうと全く気にしなかったのです。

これにより、政府やハリウッドの大手スタジオの干渉を受けず、クリエイターがほぼ無制限に好きなように芸術的自由を与えられるという、ユニークな状況が創出されました。

50年代には、映画ポスターのデザインは事実上、規制のない唯一の芸術表現に。

商業的な制約がないため、アーティストたちは創造力を発揮し、印象的な色彩、奇抜なビジュアル、ウィットに富んだ比喩を用いて、テーマや映画のタイトルを象徴的かつ抽象的に表現する巧妙な方法を見出した…という事のようです。

※詳しい話は「THE INSANE HISTORY OF POLISH MOVIE POSTERS」に載っていますので興味のある方はどうぞ。

 

ではその他の作品も。ロバート・デ・ニーロ4連発


このトゲトゲゾンビのどこが「タクシードライバー」?

日本映画代表でゴジラも。


左のゴジラ対ヘドラは結構いい感じだと思います。

※タイトル画像は「キャバレー」です。韋駄天になったライザ・ミネリをご堪能ください。


★ご参考~イタリアンも侮れません。

 

 

 

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★本日9月23日は光と影の魔術師・工藤栄一監督(1929~2000)の命日(合掌)。

昨年は「大殺陣」「必殺からくり人/最終回」の2本立てで在りし日を偲びましたが、今年はこの2本で。