異星人が圧倒的過ぎる兵力と科学力で地球制圧。
電波と電力を奪われた人類はマッハ降参。
新しい統治者による徹底した管理社会が実現。国は傀儡。不穏分子は地球外追放。
それでも抵抗を試みる者たちがいました。
「囚われた国家」
(2019年/ルパート・ワイアット監督)
侵略系SFではありますが、「インデペンデンス・デイ」のような派手なドンパチを期待すると全力で肩透かしを喰らいます。
でも地味ってバレると客来ないのでポスターやジャケットは無理やり派手に。
実際はこんな👇感じ(荒涼&索漠)。
侵略から統治までは、ニュース映像とナレーションで点景的に説明されるだけで、戦闘も交渉も描かれません。
ただ生かされているだけと言う逃げ場のない監視社会を突き崩そうと足掻くレジスタンスのお話です。
この時点で相手が異星人である必然性はビタ一文無いのですが、そこはまあギミックという事で(SF版ワルシャワ蜂起だと思ってください)。
レジスタンスとして殺され、抵抗の象徴として神格化されているラファエル(ジョナサン・メジャース)を兄に持つガブリエル(アシュトン・サンダース)もやがて兄と同じ道を…ってこれ『リメンバー・バーソロミュー!』じゃん(@「ダロス」)。
≪ナンバー1≫というコードネームで呼ばれる謎の情報提供者によって統率されている地下組織メンバー。この辺りは≪フクロウ≫と呼ばれる謎の情報提供者によって束ねられているエルディア復権派(マーレを打倒してエルディア人の復権を目指す反体制地下組織)を思わせます(@「進撃の巨人」)。
お話は巨大テロを画策するレジスタンスとこれを追い詰めるシカゴ市警のマリガン(ジョン・グッドマン)の攻防…のように見えますが、さて本当のヒーローは…。
にしても邦題のセンスの無さよ。原題が「CAPTIVE STATE」なので、そのまんまなのですが、もうちょっと「サンチャゴに雨が降る」みたいな詩的な表現思いつかなかったのでしょうか。
折角なので、レジスタンス(反体制地下組織)が活躍する作品「私的ベスト5」(すみません、今思いついてテキトーに並べています)を。
- 地下水道(1956年/アンジェイ・ワイダ監督)
- ダロス(1984年/押井守監督)
- リベリオン(2002年/カート・ウィマー監督)
- ゼイリブ(1988年/ジョン・カーペンター監督)
- 進撃の巨人(諌山創著)
直球からビーンボールまで、抵抗の詩5選(「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」を入れるべきか悩みましたが、今回は踏みとどまりました)。
※ジョン・グッドマンがガン=カタを駆使してエイリアンぶっとばす別バージョンがあったら観てみたいです。
おまけ
本作で文句があるとしたら統治者(エイリアン)のデザイン。ウニのような外皮(地上活動用の生体パワードスーツ?)を纏った奴と、「ハンター」と呼ばれていたプレデター張りの始末屋さんが出てきましたが、どちらもちょっと…
ただ、ウニの着ぐるみ星人はゲーム版「バイオハザード4」のトゲトゲゾンビ(正式名称はアイアン・メイデン)を思い出させてくれたので良しとします(久しぶりにやろうかな「バイオ4」)。
左が本作エイリアンのデザイン画。右が「バイオ4」のトゲトゲゾンビ。
★ご参考
★本日のTV放送【19:00~BS12】
※放送は「第二章」です。