トンデモ映画の切り札・ナチス。
戦中に於いては改造人間を量産し、戦後は月の裏側に秘密基地を建造し、死して尚ノルウェーの山中で反撃の機会を窺う創意と工夫と意志の塊。
その想いは地球の内部にも脈々と…。
「ナチス・イン・センター・オブ・ジ・アース」
(2012年/ジョセフ・J・ローソン監督)
アサイラム×アルバトロス(これ以上の説明はいらないですね)。原題も「NAZIS AT THE CENTER OF THE EARTH」。インとATの違いはありますが、ほぼそのまんま。
時は1945年5月10日。つまりヒトラー自決の10日後。
死の天使ヨーゼフ・メンゲレ博士はボンベ管に似た謎の物体を抱えて飛行場へ。後方には連合軍の部隊が迫っていましたが、メンゲレの敵ではありません。
ロケットランチャーで戦車を粉砕し、かなりの距離があるにも関わらずハンドガンで連合軍兵士を的確にヘッドショット。あんた、医者だろ?!
そして現在。南極観測隊(女子高生ではない)が、地底深くに達する割れ目を発見。降りてみるとそこは暖かな大地。おお、地球空洞説は本当だった!
そこにいたのは旧支配者…ではなくナチスの残党。メンゲレ博士も肉体を改造し、パーツを付け替えることで延命。絶賛現役。
使命はひとつ。総統の再生と地上破壊工作。
蘇った総統は頭挿げ替えたアイアン・ジャイアント。
走る、飛ぶ、ビーム出す、腕は変形自在の十徳ナイフ。右のこめかみに自決の銃痕が残っているのがお洒落です。
準備は整った、巨大UFOでいざ出撃!
という「センター・オブ・ジ・アース」×「ブラジルから来た少年」。彼らが自身の事を“第四帝国”と言っているので「第四惑星の悪夢」のイメージもダブってきます。
医学的にも科学的にも常識的にも突っ込み所しかありませんが、アサイラム相手に突っ込んだら負けです。
そう言えば、アサイラム×アルバトロスには「センター・オブ・ジ・アース ワールド・エンド」(2008)という前科もありましたね。
おまけ
ゴア描写は無駄に健闘。メンゲレ爺さんが堺正章のテーブルクロス引きのような鮮やかな手つきで顔面の皮を一気剥ぎ。